20代女性の転職市場動向
満足度の高い転職活動をするためには、最新の転職市場動向を把握しておくことが重要です。20代女性を対象とした求人数や人気の応募先など、解説します。
【年齢別】女性をターゲットにした
求人数
type女性の転職エージェントが有している求人の数を年齢別に比較してみると、社会人3年目となる25歳から求人が増え続け、29歳の求人数が一番多くなっています。(2023年9月現在)
現在、20代女性の転職市場で最も注目度の高い年齢層は、27~29歳だと言えます。この年齢は、社会人としての基礎スキルが習得できており、ある程度の現場経験を積んでいる方が多いため、採用企業にとってはこれからの管理職候補として、専門スキルの向上やマネジメントを期待できる年齢層だからです。
20代中盤から後半に掛けては、今までの経験を活かした転職をする時期としてはチャンスと言えるでしょう。
一方、やや数が少ない傾向にある20代前半向けの求人は、「ポテンシャル採用」と言われ、今後の成長を見込んでの採用要件であるのが特徴です。社会人として入り口の基礎は身に付けつつも、柔軟に伸びていく方向を変えられることは企業にとって大きな魅力です。新しい職種や業界へのチャレンジを求める女性にとっては、20代前半のうちがチャンスは大きいでしょう。
20代女性に人気の「応募先」と
「実際の転職先」
type女性の転職エージェントで転職活動を行った20代の女性転職希望者の「応募した職種」と「転職先の職種」のグラフを見ると、応募先職種で最も多いのは「事務職」であるのに対し、実際の転職先で最も多いのは「営業職」であることが分かります。
このようなデータになるには、2つの背景があります。
1つ目は、「有効求人倍率の違い」です。厚生労働省が公表している「職業別有効求人倍率(パートを除く)」によると、2023年8月の一般事務従事者の有効求人倍率は0.32%、営業職従事者は2.26%でした。つまり、事務職は希望者に対し求人が少なく、事務職希望3人に対し1人しか採用される枠がないということを示しています。
2つ目は、転職者自身の「転職活動中の意識の変化」にあると考えられます。
事務職は、「残業が少なそう」「デスクワークで体力的に楽」といったイメージから、転職を機に目指す女性は大変多いです。しかし、事務職は年収水準が低く、長く働いても年収が上がりにくいという特徴もあります。そのため、年収が譲れない条件であったり、将来的にキャリアアップを望むといった希望がある場合、最終的には選びにくい職種であると言えます。
このように、転職活動を進めていく中で、「一般的に理想的な仕事」と「自分にとっての理想の仕事」にギャップがあることに気付いていく女性が多いことから、このようなデータになると考えられます。
このデータから言えるのは、「職種」だけでは転職先は選べないということ。例えば、営業職は「ノルマが厳しい」「外回りが多い」といったイメージがありますが、求人によっては「個人ノルマなし」「在宅勤務できる」といった営業職もあります。
大切なのは、一般的なイメージだけで判断せず、自分自身が転職で叶えたいことは何で、応募しようとしている求人ではそれが叶うのかをしっかり確認することです。
20代女性の転職実例
case.1 Interview転職活動を通じて気付いた「私が本当に叶えたかったこと」
活動を通じて本当に大切にしたかったことを再確認!「ロールモデルがいる&長く働く」を両立できました。
case.2 Interview転職には価値観の整理が大切。「人に貢献する」を実現できるまで
価値観の合う環境で働くことを大切にしたい。転職活動を通じ、自分に合う環境を見つけました。
case.3 Interview大切なのは諦めず考えること。やりがいから見つけた将来のキャリア
長く働くために必要なこと。転職活動を通じて気付いたことを、今の仕事でも活かしています。
20代女性の年齢別の転職のポイント
20代前半の転職のポイント・
求められるスキル
「入社したら3年は続けるべき」といった言葉はよく言われますが、3年間は1社で経験を積まないと転職してはいけないということはありません。実際に「社会人経験1年からOK」という求人もたくさんあります。
ですが、20代前半であれば、社会に出たとはいってもまだまだ経験値としては物足りないのも事実です。社会人1年目、2年目であればなおさらです。ではなぜ20代前半向けの求人が存在するのでしょうか?
20代前半向けの求人は、「ポテンシャル採用」と言われ、社会人として入り口の基礎は身に付けつつも、柔軟に伸びていく方向を変えられる点を買いたいと企業は考えています。この年齢層を採用したい企業は、イチから教えるつもりで求人を出しているため、選別のポイントは現時点の能力よりも、「教育担当になる先輩や上司の教えることを聞き入れる素直さ」、「できるだけ早く業務を習得、成長してくれそうか」が重視されることが多いです。 ただし、20代前半の中でも25歳頃になると、ある程度専門的な業務経験も積んでいるものとみなされます。そのため、ポテンシャルだけでは通用しなくなる半面、未経験転職での「キャリアチェンジ」も、経験を活かした「キャリアアップ」も選択できるメリットが生まれます。
まとめると、20代前半で求められるスキルは、「新卒には無い業務の基礎能力」や「20代ならではの伸びしろ」。25歳以降は、「社会人の基礎力」、「専門的なスキル」、「具体的な成果や実績」になります。自身の年齢に合わせた武器を最大限に生かして転職活動を進めましょう。
20代後半の転職のポイント・
求められるスキル
20代後半からは今までの「経験」を重視される傾向にあります。20代後半は、「これまでに経験してきた職種での専門的なスキルが求められる」と考えておきましょう。もちろん、未経験採用の求人もありますが、20代前半と比べると、応募者に対する企業の目線が変わることは確実です。ポテンシャルではなく、今までの経験やスキルを重視されるため、未経験の職種であっても活かせる強みやスキルを伝える必要があります。
ここまでお伝えした内容からすると、「20代後半の転職は厳しいの…?」と不安になる方も多いかもしれません。しかし、すでにお伝えしているように、25~29歳を採用のターゲットにした求人は、転職市場で最も多いという事実もあります。不安になり過ぎず、今までの経験を活かし、即戦力になれる人材であることをアピールしていきましょう。
20代後半で求められるスキルは、「専門的なスキルや経験」、「今までの仕事の実績や成果」です。バックオフィスなど数字での実績が出しにくい部門の方は、業務改善に取り組んだ経験などがあるといいでしょう。20代後半になると、リーダーや管理職、マネージャーとしての経験を積んでいる方も増えてくるので、早い段階でのマネジメント経験は他の応募者との差別化ポイントになります。
20代女性が
未経験転職をするときのコツ
未経験の職種や業種への転職を考えている20代の女性も多いでしょう。未経験転職におすすめなタイミングや、未経験転職を成功させるためのコツを紹介します。
未経験転職におすすめなタイミング
type女性の転職エージェントが保有している「経験者募集求人」と「未経験者可」 の求人数を年齢別に算出しました。算出したデータによると、23歳女性を採用ターゲットにしている求人の41%、24歳女性を採用ターゲットにしている求人の39%が未経験可の求人となっていることが分かります。25歳では32%、26歳では30%とやや割合は落ちますが、23,24歳をターゲットしている求人よりも求人の全体数が多いため、未経験可の求人数も多くなります。
このことから未経験の職種や業種に転職するなら、20代半ばがベストタイミングと言えます。
20代前半だと就業経験が短く、仕事において成果を出すまでのサイクルを一通り経験できていないことがほとんどです。スキルや実績が足りていない状態と言えるため、キャリアチェンジを目指して転職活動をしても、企業側から「自分のキャリアをきちんと評価できていない」と見られてしまう可能性があります。
30代になってからのキャリアチェンジも可能ですが、より即戦力としての能力を求められるため、20代よりも難しくなってしまいます。
未経験転職を成功させるためのコツ
未経験の職種や業種への転職を目指す際は、「なぜ志望業界・職種を目指すのか」必ず面接で聞かれるので、話せるように準備しておきましょう。志望動機は転職理由と一貫性を持たせると好印象です。志望動機の基本的な構成としては、「その職種を志望する理由」→「その業界を志望する理由」→「その中で応募企業を選んだ理由」の3段階で志望動機を伝えられるように準備しましょう。特に「なぜその業界・職種に興味を持ったか」という点を重点的に考えるとよいでしょう。
また、キャリアチェンジのために自己学習や資格取得など自己研鑽していることがあれば「意欲の高さ」を伝えるようにしましょう。
20代女性の転職で
失敗しないためのコツ
下記は、20代女性によくある転職の失敗例です。
・叶えたい条件が多すぎて、結局不満が残る転職先に入ってしまう
・企業調査不足で転職してしまい、入社後の「思っていたのと違う」が多発
・職種名だけで転職先を決めてしまい、入社後に大苦労
・なかなか決断できず、転職活動期間が長くなってしまって挫折
・目先の条件に惹かれて楽な仕事を選んでしまい、スキルが身に付かなかった
このような転職での失敗をしないための、コツを紹介します。
絶対に譲れない条件を決める
転職をするなら叶えたい希望は多くあるはずです。ですが、全ての希望を叶える転職先を探すのは非常に困難で、どれか一つでも妥協すると入社後に不満感が出てしまいます。こうした転職の失敗を避けるためには、希望の条件を明確にし、条件に優先順位をつけておきます。例えば、「年収アップは絶対したい、残業時間は月30時間までならOK、会社規模や通勤時間はこだわらない」など、絶対に譲れない条件と許容できる条件をあらかじめ決めておくことが大事です。
企業研究をする
入社後の「思っていたのと違う」を防ぐためには、企業研究を徹底しておくのが効果的です。企業のHPをチェックし、社風や実際に働いている人の雰囲気を掴んでおくとよいでしょう。採用ページやインタビューなどがあれば読んでおくことをおすすめします。「制度はあるけど実際は利用されていなかった」ということもあるので、実際に制度が使われているかも確認しておくと安心です。
具体的な業務内容を確認してから
決める
キャリアチェンジをした人が陥りがちな失敗ですが、職種のイメージだけで希望してしまうと、自分の適性に合っていなかったり、実際の業務内容がイメージと違ったりといったことが起こります。同じ職種でも企業によって定めている業務範囲は異なります。「こんなはずではなかった」を避けるためには、具体的な業務内容を面接で確認することが重要です。同じ仕事をしている人の一日のスケジュールなどを確認しておくといいでしょう。
期間を決めて集中して転職活動する
なかなか決断できず、転職活動期間が長くなってしまって、最終的に転職自体を諦めてしまう人もいます。現職への明確な不満がない人やスキルに自信のない人にありがちです。「〇月まで」と期間を設けたり、「絶対に譲れない条件」が満たされたらそこに決めるなど、具体的なゴールを決めてから転職活動をするのがおすすめです。
長期的なライフプラン、キャリアプランを考えてから転職活動を始める
転職直後は楽に稼げているとしても、数年後も給料が上がらなかったり、他社で通用するスキルが身に付いていなかったり、という状況に陥ってしまうことがあります。今すぐ転職したいという気持ちが強く、目先の条件に惹かれてしまい、長期的な視点が抜けてしまったパターンです。20代ならポテンシャルで採用される可能性もありますが、30歳になると即戦力としてのスキルや経験が求められるため、スキルが身についていないと転職が難しくなります。
転職を考えたときに、10年後、20年後など長期的な視点で「自分はどうなっていたいのか」「どんなスキルを身に付けて、どういうポジションについていたいのか」考えてみましょう。特に女性は、結婚や出産などライフイベントが関わってくるので、ライフプランとキャリアプランを考えておくことをおすすめします。将来の事はわかりませんが、転職の軸を考える時にも活かせます。
20代女性の中には、失敗を恐れて転職に踏み出せない方がいると思いますが、失敗しても挽回は可能です。下記記事は、20代の転職失敗事例や失敗してしまった時にとる行動など詳しく紹介しておりますので、参考にしてください。
20代女性のよくある悩みや疑問
Q.結婚は転職の前と後
どっちがいいのか
A.既婚未婚それぞれにメリットとデメリットがありますが、未婚のほうがやや有利かもしれません。結婚前に転職するメリットは、選べる企業や職種の範囲が広がること。未経験からチャレンジできる求人も多くなっています。デメリットとしては、転職後すぐに結婚するのは難しい場合があるということです。すでに結婚が決まっている場合は、内定後に「今後一年くらいで結婚を考えている相手がいます」くらいの温度感で伝えるといいでしょう。
Q.20代既婚だと
転職は不利になるのか
A.入社後すぐに出産や育児で休職をしたり、パートナーの転勤で退職したりする可能性のある既婚女性は、採用担当者からすると1つの不安材料になるため、「転職が不利」だと言われています。ですが、選考時に同じ能力を持った独身の方がいると、離脱のリスクが少ない方が採用されやすいという話であって、結婚していることが理由で採用されないわけではありません。企業側が採用にあたって懸念を感じるポイントを把握し、しっかりと対策することが重要です。
Q.20代女性が転職する際に
おすすめの資格は?
A.今までのキャリアを生かしたい場合は、経歴や実績に加えて資格という客観的な評価の裏付けができるので、現在の職種や業種に関連した資格がおすすめです。
新たな分野にチャレンジしたい方は、目指す職種や業界の資格取得をおすすめします。未経験分野に転職したい意欲の裏付けとして、自主的な勉強や資格取得がアピールできるからです。
関連記事:女性の転職に有利なおすすめの資格8選
Q.スキルがなくても転職できるか
A.スキルがない20代女性でも、しっかりと準備して転職活動に臨めば、転職は難しくありません。社会人1~3年目は専門的なスキルも少なく、企業側がそこまで求めていないことから、スキルがなくても転職ができる可能性があります。第二新卒などを対象にスキルや経験を重視せず、伸びしろのある優秀な人材を募集し、入社後に育てていくポテンシャル採用を行う企業も増えています。20代ならでは強みもあるので、自信をもって転職活動を行いましょう。
Q.20代女性の転職面接での服装は
何を着るのが正解?
A.紺色、グレー、ベージュなどベーシックカラーのビジネススーツに、白や淡い色のワイシャツやブラウス、カットソーを合わせるのがおすすめです。第二新卒であれば、リクルートスーツを着用しても問題ありません。20代後半でリクルートスーツを着ると、経験が浅い印象を与える可能性があるため、避けた方がいいでしょう。
20代女性が転職エージェントを
利用するメリット
転職エージェントは、転職を考えている人と企業の間に入り、選考日程の調整や条件交渉など転職活動のサポートを行うサービスです。応募書類の添削や面接対策などの実践的なアドバイスや今後のキャリアの相談など、転職活動全般をサポートしてもらえるのが転職エージェントの魅力です。では、20代女性が転職エージェントを利用するメリットについて、詳しく見てみましょう。
自分では気が付かなった
強みや適性が分かる
「私に合った仕事が分からない」といったご相談を20代の女性から多くいただきます。転職のプロであるキャリアアドバイザーだからこそ、適性にあった職種や業界を紹介することが可能です。
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーとの面談を実施しています。面談では、これまでの経歴やスキルなどを整理します。キャリアアドバイザーが客観的な視点でキャリアの棚卸しを行うので、自身では気づかないような独自の強みや適性に気づくかもしれません。
応募書類の添削や面接対策が
受けられる
20代の方は初めて転職をされる方も多いことでしょう。特に応募書類の準備は「何を書いたらいいかわからない」「面接が上手くいかない」など悩むポイントが多いものです。応募書類の書き方や面接での回答方法などのアドバイスが転職エージェントを活用すると受けられます。
面接で想定される質問や企業が求める人物像について、詳しい情報を持っているのは転職エージェントだけです。それらの情報や多くの人をサポートしてきた経験から、応募書類の添削や面接対策を行うため、選考の通過率が高まります。
日程調整や年収交渉など企業との
やり取りをしてくれる
自己応募の場合は、求人への応募や選考の日程調整など企業とのやり取りも全て自分で行います。働きながら転職活動をするのは大変です。しかし、転職エージェントを利用すると、求人への応募や面接の日程調整、条件交渉などの、企業とのやり取りを代行してくれます。
また自己応募の場合は、給与や待遇、入社日など、どこまで踏み込んでいいかわからず、希望を伝えられなかったケースやすり合わせができていなくて入社後に希望と異なっていた、というケースもあります。こうした企業に直接言いにくい条件交渉や聞きにくい質問も転職エージェントが行うので、効率的に転職活動が進められます。
type女性の転職エージェントに
ご相談ください
サービス開始から25年以上、年間10,000以上(2022年度実績)の女性転職希望者へのキャリアカウンセリングを行ってきたtype女性の転職エージェント。女性のライフイベントの変化による転職のご相談、女性が長く働ける職場への転職のご支援など、豊富な転職ノウハウがあります。女性アドバイザーも多数在席しており、女性の転職希望者に寄り添いながら、その人に合ったキャリアのご提案を行っています。ぜひご相談ください。
また転職活動を行うにあたって出てくる疑問や不安についてキャリアアドバイザーと無料で1対1の相談できる「20代初めての転職相談会」も実施しています。まずはお気軽にご相談ください。
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