【30代女性の転職】成功のポイント・転職で後悔するパターンとは?

更新日:2023.8.16

30代女性の転職は遅いのか?転職成功のための完全ガイド

更新日:2023.8.16

30代になって転職を考え始めたものの、「今の年齢で自分に合う会社や仕事が見つかるだろうか」と不安を感じる女性は多いようです。また、巷では「女性の転職は30歳が限界だ」という噂もあります。果たして本当に30代で女性が転職するのは遅いのでしょうか。そこで、女性の転職と年齢の関係や30代女性が転職に成功するためポイントを徹底解説します。

監修者:坂本 麻奈実
監修キャリアアドバイザー
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント
前職ではブライダルジュエリーの専門店で店長を経験。転職を考えたのは、ビジネスパーソンとして今後も社会で活躍できる女性でありたいと考えたから。一生に一度の結婚のお手伝いという職からより相手の人生に関わる深いサポートを行いたいと、キャリアアドバイザーへ転身。店長として店舗スタッフをマネジメントしていた経験から販売サービスの分野に特化したキャリアアドバイザーである。

女性の転職における年齢の見られ方

転職における年齢の見られ方

女性の転職について「30歳限界説」などの噂もあるようですが、30代だからといって転職できないわけではありません。30代でも自分が希望する会社に転職したり、前職より高い給与やポジションを手にしてキャリアアップを果たす女性はもちろんいます。
ただ、女性はどうしても結婚や出産、育児などがキャリアや働き方に大きく影響するので、これらのライフイベントを迎える30代になると、20代の頃より転職のハードルが上がるのは事実です。

とはいえ、企業が年齢や既婚者であることだけを理由に不採用にすることはありません。企業が気にするのは、「働く時間にどれくらい制限があるか」です。「子どものお迎えがあるから、毎日必ず夕方5時には退社しなくてはいけない」といった場合、責任ある仕事や残業が発生する仕事は任せられないので採用は難しいと判断する企業もあるでしょう。
一方、子育て中であっても、近くに住む親が育児に協力してくれたり、すでに子どもがある程度大きくなって育児のために時間拘束されることが少ない人であれば、企業側も「働く時間への影響なし」と判断するので採用の合否には影響しません。たとえ同じ「30代女性・既婚・子育て中」というスペックでも、時間制限の有無で企業からの評価は変わるということです。

また、年齢が採用にどの程度影響するかは、業界や職種によっても異なります。例えば、小売・流通・サービス業などは、年齢に関わらず女性を積極的に採用しています。既婚者だったり、子育て中だったりしても、それが採用の合否に直接影響することはほとんどありません。これらの業界はシフト制の勤務体系をとることが多く、家庭や育児の事情に合わせた曜日・時間帯のシフトさえ組めれば、働き方への影響はそれほど大きくないからです。
一方、「平日勤務・土日休み」の一般的なオフィスワークの場合、特に子育て中の女性はどうしても働き方が制限されます。すでにその業界や職種で経験と実績を積んでいる人であれば、時間の制約があっても企業からスキルやキャリアを評価されて中途採用されるケースはありますが、時間の制約がない人に比べれば不利になるのは否めません。

このように、女性の転職において年齢はあくまで表面的な要素の一つに過ぎません。年齢以外にも、その人が可能な働き方やこれまでの経験・実績、業界や職種ごとの事情など、様々な要素が採用に影響することを理解しておきましょう。

30代転職のメリット、デメリット

30代転職のメリット、デメリット

前職と同じ業界や職種へ転職する場合、高い実績や成果を出している30代であれば、社格や給与が上がる“キャリアアップ転職”を実現することも可能です。
まだ経験が浅く、高い実績を出すに至らない20代に比べると、これまでに培ったスキルや経験を強みに転職活動できるのが30代のメリットと言えます。

その反面、未経験の業界や職種にチャレンジしたい場合は、30代が採用されるのはかなり難しくなります。
これは企業が「30代の中途採用者には、今までの経験を生かして即戦力として活躍してほしい」と考えるためで、男性でも女性でもこのデメリットは同じです。それに加えて、子育て中で働く時間に制限がある場合は、さらに未経験転職へのハードルは上がります。30代がまったくの未経験分野に転職するのは厳しい現状があることを知っておきましょう。

30代女性が転職で
後悔するパターン3選

パターン1:先のことを考えず、
見切り発車で会社を辞めてしまう

見切り発車で会社を辞めてしまう

仕事や職場に不満を持っていると、結婚や出産を機に「とりあえず会社を辞めてから、次の仕事を探そう」と考える30代女性は少なくありません。しかし具体的な計画なしに安易に退職を選ぶと、離職期間が長引いて、その後の転職活動で苦戦することになります。
男性か女性かに関わらず、離職期間が長くなると企業から「社会的信用度が低い人物」と見なされ、書類選考の通過率は明らかに下がります。「会社を辞めて少しのんびりしてから、転職活動をすればいい」と考えていると、その間に自分の市場価値はどんどん下がってしまうのです。

しかも先ほど説明した通り、20代より30代の方が転職のハードルは上がるので、いざ転職活動を開始しても内定をもらうまでに予想以上の時間がかかることがあります。たとえ同じ業界や職種への転職でも、前職より給与や任せてもらう業務のレベルをかなり落とさないと転職先が見つからないことも多くなります。
「先のことは辞めてから考えよう」と見切り発車で会社を退職すると、将来のキャリアの選択肢が狭くなる危険性があることを知っておくべきです。

パターン2:30代なのに新人気分で転職する

30代なのに新人気分で転職する

30代の中途採用者は“新人”ではありません。「新しく会社に入ってきた」という点では新卒採用者と同じですが、こちらはすでに10年近く働いてきた“社会人経験者”です。
にも関わらず、新卒入社の新人と同じ気分で、「わからないことは会社に教えてくれるだろう」と受け身の姿勢のままでいると、転職先でなかなか活躍できず、周囲からも認めてもらえません。新しい職場で結果を出すまでにある程度の時間がかかるとしても、その間に仕事に役立つ資格を取得するための勉強をしたり、実務の中でスキルを磨くための努力をしたりと、少しでも早く成長するためにみずから考え、行動する必要があるという心構えを持っておきましょう。

パターン3:180度振り切った転職をする

180度振り切った転職をす

30代女性の転職で多いのが、前職の仕事で得ていた給与ややりがいなどの恩恵をすべて投げ捨てて、180度振り切った転職をするパターンです。
例えば、「販売職に疲れたから、体力的にラクな事務職に転職したい」という女性が、「給与や仕事内容にはこだわらないから、とにかくオフィスワークができればいい」と考えるのが代表的なケースです。

ところが実際に事務職に転職してみると、一日中パソコンに向かってデータ処理をするだけで人と話す機会がほとんどなくなってしまい、そこで初めて「自分は接客の仕事が好きだったんだ」と気づくことが少なくありません。
しかも前職に比べて給与まで減ってしまい、仕事のやりがいも収入も失ってしまったことを後悔するケースがよくあります。

この場合、転職前に「自分はなぜ今の仕事を辞めたいのか」をきちんと掘り下げて考えていれば、販売職そのものが嫌なのではなく、「長時間の立ち仕事で疲れてしまう」「ノルマに追われるのが苦痛」といった本当の理由が見えてきたはずです。それなら椅子に座って接客できるカウンター型の内勤営業や、チームの目標数字はあるが個人にはノルマを課さない会社の営業職に転職すれば、「人と接する仕事が好き」というやりがいを失うことなく、自分が求めていた働き方を手に入れることができたでしょう。面接でも前職で培った販売職のスキルや経験を強みとしてアピールできるので、給与を下げずに転職することも十分可能です。

「仕事に疲れた」「今の職場が何となく嫌」といった目の前の感情に流され「すべてをリセットしたい」と思って180度振り切った転職をしてしまうと、のちのちの後悔につながる可能性もあります。

もし自分に合っている仕事や、転職理由の掘り下げ方が分からない時には、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。

30代転職は難しい?
転職成功のポイント

ポイント1:20代のうちに自分の強みを作る

30代転職成功のポイント

30代転職を成功させるには、20代のうちに一生懸命仕事に取り組み、自分の強みや自信になるようなスキルや経験を身につけることが不可欠です。
20代のうちから仕事でできるだけラクをしようと考えたり、せっかく重要な仕事を任されるチャンスがあるのに断ってしまったりすると、いざ30代で転職を考えた時に自分の武器になるものが何もなく、キャリアの選択肢が非常に狭くなってしまいます。

ポイント2:スピードを重視する

30代で転職したいと思ったら、一日も早く行動に移してください。企業としては、35歳よりは30歳、30歳よりは25歳を採用したいのが本音です。
つまり転職するかどうか迷っているうちに、応募できる求人の数はどんどん減っていくのです。もちろん見切り発車で会社を辞めてしまうのはNGですが、転職する意思があるなら、今の仕事を続けながら企業説明会に参加したり、書類選考に応募するなどして、まずは具体的なアクションを起こすことが大事です。

ポイント3:過去の実績や経験をきちんと言語化する

20代の転職は「頑張ります」という意欲やポテンシャルが評価されますが、30代の転職は今までの実績や経験がすべてです。
面接で聞かれる質問の大半は「これまでに何をしてきたか」という過去のことなので、事前にキャリアの棚卸しをしっかりとしておきましょう。「過去にどんな成功体験があり、それによってどのようなスキルが身についたか」「過去にどんな失敗体験があり、それをどのように乗り越えたか」を振り返り、面接の時に自分の言葉で明確に伝えられるようにしてください。

30代女性の転職、独身か既婚かで見られ方は変わる?

30代女性の転職、独身か既婚かで見られ方は変わる?

年齢と同様、「独身か、既婚か」も転職活動においては表面的な要素に過ぎません。既婚者で子どもがいても周囲の協力があれば時間的な制約を受けずに働けるかもしれないし、独身でも「残業は絶対にしたくない」と考える人はいるでしょう。すでに説明した通り、「保育園の送り迎えがあるので時短で働きたい」といった明らかな時間の制約がある場合は、採用で不利になることも考えられますが、企業側がどう判断するかはあくまで個別の事情によります。

「既婚者だから転職は無理」と否定から入るのではなく、「どんな働き方なら可能か」を考え、その働き方を実現できる会社や職種を探すことが、独身・既婚に関わらず自分に合った転職を叶えるためのカギです。

30代女性が正社員として働くためには

30代女性が正社員として働くためには

30代女性が転職後も正社員として働くには、その会社で新卒から働いている同年代の社員と同じレベルの活躍をするつもりであることを、面接でしっかりと伝える必要があります。
30代になれば、すでに管理職や中堅リーダーを任されているプロパーの社員は多いはずです。つまり30代を採用する企業側は、それと同じくらいの活躍を中途採用者にも期待しているということ。よって、できるだけ早くその人たちのレベルに追いつく意思があると面接で伝えれば、企業側に「この人なら正社員として長く活躍してくれるだろう」と思ってもらえます。

もし30代女性が「若手と同じ給与やポジションでいいので、細々と働ければいい」という姿勢を見せたら、面接官に「もしかしたら腰掛けのつもりだろうか」と思われてしまい、正社員で採用されるのは難しくなります。正社員での採用を目指すなら、「入社後に自分がどのように会社に貢献したいか」という長期的なキャリアビジョンをはっきりと伝えることが重要です。

30代女性は未経験転職できる?
できない?

30代女性は未経験転職できる?できない?

前述の通り、男性か女性かに関わらず、30代になると未経験転職は難しくなります。それをわかった上で、どうしても挑戦したい仕事や業界があるなら、転職する前に業務に必要な資格を取るなどの努力が求められます。ただし子育てなどで働く時間に制約がある場合は、やはり30代女性が未経験転職を成功させるのはかなり難しい現実があることを覚悟しておきましょう。

まとめsummary

「30代女性」とひと口に言っても、可能な働き方やこれまでの実績・経験、転職後のキャリアビジョンなどによって、転職が成功するかどうかは違ってきます。30代転職のメリット・デメリットを踏まえた上で、転職理由の掘り下げや過去のキャリアの棚卸しなどの対策をしっかりすることが、転職を成功させるための秘訣です。

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