履歴書・職務経歴書の自己PRの書き方、例文付き
更新日:2024.04.23
この記事のまとめ
- 自己PRで重要なのは、応募企業の職務に関連したスキルや強み、長所を伝えること。
- 「これまで何をやってきたか」「自分には何ができるか」「入社後にどう貢献できるか」を伝える。
- 履歴書や職務経歴書と面接での自己PRは同じ内容で問題ない。
履歴書や職務経歴書を書く時に、「自己PRがうまく書けない」「何を書けばいいのか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。自己PRは応募企業に自分のスキルや強み、実績をアピールできる項目で選考の合否に影響のある重要な項目です。
本記事では、履歴書や職務経歴書で使える効果的な自己PRの書き方や例文、アピールポイントの見つけ方などを詳しく解説します。
履歴書・職務経歴書の自己PRの重要性とは
自己PRは、履歴書・職務経歴書の中でも特に重要な項目であり、企業があなたを採用すべき理由を具体的に伝えられるパートです。自己PRは自身の強みや能力をアピールするためのものであり、その書き方1つで採用結果が左右されることもあります。そのため、自己PRの書き方を理解し、自身の強みを最大限に引き立てることが求められます。
自己PRで重要なのは、応募企業の職務に関連したスキルや強み、長所を伝えることです。いくら素晴らしい自己PRでも、応募企業の求める人材にマッチしないと意味がないので、応募企業の求める人材要件やスキルを把握したうえで記載することが大事です。
また、自己PRを書く際は自己分析が不可欠。自分自身の強みや経験を理解し、それをどのようにアピールすれば良いかを考えることが重要です。
履歴書や職務経歴書の基本的な書き方を知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
関連記事:履歴書の書き方・提出方法【ダウンロードフォーマット付】
関連記事:職務経歴書の書き方(職種別)と提出方法
履歴書でアピールするポイント
履歴書の自己PR欄は限られているので「応募企業で入社後に即戦力として活躍できること」を意識して伝えます。応募企業の職務に関連するスキルや強みが何かを整理し、「これまで何をやってきたか」「自分には何ができるか」「入社後にどう貢献できるか」この3点を伝えることが重要です。
具体的には、過去の経験から学んだスキルや知識、取り組みを通じて得た成果、自分が持つ独自の視点や考え方などがアピールポイントとなります。ただし、アピールポイントを列挙するだけではなく、その経験やスキルがどのように役立つのか、どのように活用できるのかを考えることが重要です。採用担当者がイメージしやすいように数値で実績を伝えたり、具体的なエピソードを交えるといいでしょう。
自己PRと自己紹介、長所短所、志望動機との違い
自己PR、自己紹介、長所・短所、そして志望動機は、履歴書や面接で聞かれることが多い項目です。これらは質問の意図がそれぞれ異なるため、適切な回答も変わってきます。一つずつ違いを説明します。
自己PR
自己PRでは、あなたの経験、スキル、達成したことを通じて、なぜあなたが応募企業の業務に適任であるかをアピールします。具体的な実績や成果を示し、自分の強みや能力を前面に出します。面接官に対して、あなたがどのような価値を提供できるかを示すことが目的です。
自己紹介
自己紹介は、名前や職歴など、基本的な個人情報を紹介するもの。これにより、面接官はあなたの背景についての基本的な理解を深めることができます。また、一緒に働きたいと思える人物か、所属部署になじめそうか、営業職など取引先やお客様の前に出ていただくことを任せられそうか、といった第一印象を見ています。自己紹介は一般的に簡潔で、職務経歴や学歴などを一言ずつ説明するだけでOK。面接の冒頭にアイスブレイクとして用いられることが多いです。
長所と短所
長所と短所の質問では、自己認識ができているのかを確認しています。長所では、自分の能力や性格のポジティブな側面を強調し、それが仕事にどのように役立つかを示します。短所では、自分の改善点や過去の挑戦、そしてそれを克服するためにどのような努力をしてきたかを説明することで、成長の意欲と自己改善への取り組みを示します。
志望動機
志望動機では、応募企業を選んだ理由、仕事に対する情熱や目標を説明します。これは、あなたがその職務においてどのように貢献し、企業の目標達成にどのように役立つか、また、その仕事があなたのキャリア目標や個人的な成長にどのように合致するかを伝える必要があります。
履歴書と面接での自己PRとはどう違うか
履歴書や職務経歴書と面接での自己PRは同じ内容で問題ありません。面接で詳しく聞かれることを前提に、応募書類の自己PRを作ることが大事です。
ですが、履歴書や職務経歴書での自己PRは、面接における自己PRと内容は同じでも、文字と声とでは伝え方が異なります。面接では、言葉だけでなく表情や態度、声のトーンなども評価の対象となりますが、書類選考ではそれらの要素は一切伝わりません。
そのため、履歴書や職務経歴書の自己PRでは、自分の強みや経験を具体的な事例を用いて紹介し、なぜその仕事に適しているのかを明確に伝える必要があります。また、面接では質疑応答の中で詳しく話すことができますが、書類では限られたスペースの中で説明を行わなければならないため、どの情報を優先するか、どのように文章を構成するかが重要となります。
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履歴書・職務経歴書の自己PRの書き方とは
では履歴書や職務経歴書ではどのように自己PRを書くのがいいのでしょうか。書類選考の通過率を高める自己PRの書き方を紹介します。
簡潔にまとめる
自分の経歴や強みをたくさんアピールしたいと思うかもしれませんが、もっともアピールしたい強みに絞って、端的に伝えることが重要です。簡潔にまとめたほうが採用担当者には伝わりやすくなります。
自己PRを履歴書や職務経歴書に書く際は、「・行動力」「・提案力」「・業務改善力」のように見出しを付けてから、改行して具体的な内容を書くと読みやすくなります。
適切な文字数
フォーマットにもよりますが、文字数は履歴書なら100~200文字程度、職務経歴書なら400文字程度にまとめるようにします。詳しく書くと文字数が増えてしまいがちですが、採用担当者は1日に数多くの履歴書や職務経歴書を読むので、最後まで読んでもらえるように端的に書くよう意識しましょう。
また手書きの履歴書の場合は、文字数だけではなく文字の大きさにも注意しましょう。文字が小さくつぶれてしまうと、読みにくくなってしまいます。丁寧に、相手が読みやすくなるよう記載することを心がけてください。
企業が求める能力やスキルに合わせて書く
自己PRは、企業が求める能力やスキルを明確に理解し、それに基づいて自分の経験や達成した結果を具体的に書くことが重要です。まず、求人情報や企業のウェブサイトを参照し、企業のビジョンやミッション、求める人材像を把握しましょう。
自身の経験やスキルを具体的な事例と共に書き出し、企業のニーズに合致したものを自己PRとして書きます。誇大表現は避け、事実に基づいた内容にすることが重要です。
根拠となるエピソードを示す
履歴書や職務経歴書の自己PRは、客観的な数字やデータを示したり、具体的な実績やエピソードを書きます。具体的な内容を書くことで、入社後の活躍をイメージさせることができます。
例えば、「営業職でトップの成績を達成した」という実績を自己PRに書く場合、その達成の背景や工夫した点、結果に至ったエピソードを書くと良いでしょう。自分のスキルや経験を具体的に示し、その価値を理解してもらうことが可能です。
【例文】
売上目標の150%達成を成し遂げました。目標を達成するために、日々の架電本数に明確な目標を設け、新規顧客リストから高い見込みがある顧客を特定しました。その後、見込み客に対して定期的なコミュニケーションを実施し、関係構築を深めることで、顧客ニーズに沿った提案をすることができました。このアプローチにより、新規顧客の獲得に成功し、売上の大幅な増加に貢献しました。課題を前向きに捉え、解決へと導く力は、私の大きな強みです。
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履歴書の自己PRに何を書く?
自分自身の強みや得意分野、達成した結果などを振り返り、その中からアピールするポイントを見つけましょう。また、自分がどのような人間であるか、自己イメージを明確にすることも重要です。
自己PRに何を書けばいいのか分からないという方は、「周りから評価されたこと」「得意な仕事」「仕事をする上で意識していること」などを書き出してみるのがおすすめです。仕事内容からアピールポイントを見つける方法もあります。営業職であれば目標達成した経験、マーケティング職であればプロモーション施策の経験、エンジニア職であればシステム開発をした経験などから、実績や強みを洗い出してみましょう。
数値で表現できるものがない場合は、課題に感じて取り組んだ経験、周りの人と比べて得意としていることなどを振り返ってみるといいでしょう。数字で表せなくても、具体的なエピソードと成功体験があれば、客観的な裏付けのある自己PRになります。
自己PRが思いつかない場合は、下記の一覧も参考にしてみてください。履歴書や職務経歴書でよく使われる自己PRです。
履歴書の自己PRに使える経験・スキルの例
- 目標達成力
- 業務改善力
- 正確性
- プログラミングスキル
- パソコンスキル
- 臨機応変な対応力
- 分析力
- 進行管理能力
- マネジメント能力
履歴書の自己PRに使える強み・長所の例
- リーダーシップ
- 協調性
- 計画性
- 柔軟性
- 行動力
- 主体性
- 調整力
- 積極性
- コミュニケーション能力
- 責任感
- 忍耐力
自分の強みが分からない、自己分析が上手くいかない方は、転職エージェントに相談するといいでしょう。転職のプロであるキャリアアドバイザーとの面談で経歴の棚卸しや強みや弱みの整理を行います。自分では気が付かなかった強みや適性に気づくことができます。
関連記事:転職エージェントとの面談とは?流れや服装、事前準備など解説
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【履歴書・職務経歴書】職種別の自己PRの例文(サンプル)
営業職の例文
ヒアリング力
顧客ニーズの深い理解と信頼構築のため、事業課題や担当者の考えなど細かなヒアリングを意識しています。定期的な状況の伺いを行い、顧客の課題やニーズを把握することで、カスタマイズされた解決策を提案ができ、売上目標の180%達成を実現しました。また、持続可能な顧客関係を築くため、定期的なフォローアップとアフターサービスに注力。この経験を活かし、貴社の売上拡大に貢献していきたいと考えています。
目標達成力
目標達成意欲が高く、目標を達成するために主体的に戦略を立てて行動することが私の強みです。電話で新規顧客のアポイントメントの獲得に課題がありました。定型文のトークでは、すぐにお電話を切られてしまいました。そこで、見込み顧客を業界・創業年度毎に分け、ターゲット別にトーク内容を変えるという工夫・施策を実施したところ、アポイントメントの取得率が約180%程度向上し、目標達成ができました。この経験を活かし、貴社の売上拡大に貢献していきたいと考えています。
事務職の例文
業務改善力
私は前職にて売上管理業務が属人化していることに課題を感じていました。この問題を解決するため、マクロを活用して売上管理プロセスを自動化しました。この工夫により、従来は3時間かかっていた作業をわずか30分で完了することができるようになりました。この結果、ミスの可能性を大幅に減少させるとともに、他の重要業務にもっと集中できる時間を確保できました。業務改善力と効率化への貢献を通じて、私は貴社の事務業務の品質と生産性の向上に貢献していきます。
※上記のような事例の場合は、残業時間を〇時間短縮できた、これまでミスの発生率が〇%だったものを〇%へ削減できた。などの数値的根拠をあわせるとより印象が良くなります。
正確性
私は書類でミスしたことがありません。なぜなら普段からミス防止のために書類ごとにフォーマットを統一し、ダブルチェック表を作成し、作業のマニュアルを作成しました。結果として、書類作成におけるミスがなくなり、業務にかかる時間も短縮することができました。貴社の業務においても効率よく正確に事務職として貢献していきたいと考えております。
エンジニア職の例文
金融系のシステム開発
クレジットカード会社のシステム開発プロジェクトに多数携わってまいりました。開発初期段階からセキュリティとパフォーマンスを意識した設計に取り組み、コードの最適化やセキュリティ対策を徹底しました。私はJavaを主軸とした技術スキルと、金融業界における深い業務知識があり、貴社のシステム開発でも活かしていけると考えております。
顧客折衝力
上流から下流まで一貫して関わり、リーダーとして顧客との定例会議で進捗を報告し、問題対処にあたっております。顧客のニーズを深く理解し、技術的制約や予算問題をクリアにしながら最適な代替案を提案しました。さらに、技術的観点から既存システムの改善を提案し、システム品質の向上に貢献しました。この経験を貴社で活かしていきたいと考えております。
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【履歴書・職務経歴書】強み・長所別の自己PR例文(サンプル)
リーダーシップを強みとした例文
他部署と共同で進めるプロジェクトのリーダーとして任命されました。プロジェクトの成功には、チーム全員が共通の認識を持ち、目標とスケジュールを共有することが不可欠です。そのため、定期的なミーティングを通じて、これらの要素の進捗共有を行いました。また、メンバー一人ひとりの意見を積極的にヒアリングし、課題や進捗の遅れがないかを確認。必要に応じてフォローアップを行うことで、チーム全体の士気を高め、プロジェクトを成功に導きました。この経験から、異なる部署のメンバーとも効果的に協働し、目標達成に向けてチームをリードする能力が私の強みであることを実感しています。
協調性を強みとした例文
営業アシスタントとして、協調性を重視し、円滑なコミュニケーションとチームワークを常に心がけてきました。営業スタッフ一人ひとりに合わせたサポートを提供してきた結果、「○○さんにお願いしたい」と言っていただけることが多くありました。このように、相手の立場に立って考え、それぞれの営業メンバーに合わせた最適なサポートを提供することで、アシスタントとしてチームの売上達成に貢献しました。貴社の業務においても、協調性を活かしてチームの方々に信頼されるアシスタントとして活躍していきたいです。
計画遂行力を強みとした例文
あるプロジェクトで進行に遅れが生じた際、納期を守るためにスケジュールの再設定と効率化を主導しました。具体的には、タスクの優先順位を見直し、リソース配分を最適化することで、作業の効率を大幅に向上させました。また、チームメンバーと密にコミュニケーションを取り、進捗状況を常に共有することで、全員が目標に向かって一丸となることができました。この取り組みにより、プロジェクトは予定通りに納品することができ、顧客からも高い評価を受けました。どんな困難な状況でも責任感を持って問題解決にあたり、目標達成に導くことで貴社に貢献していきたいと考えています。
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【履歴書・職務経歴書】未経験転職の場合の自己PR例文(サンプル)
未経験でエンジニアに転職する場合
自己学習を通じてJavaやPythonなどのプログラミング言語を習得し、そのスキルを活かしてWebアプリケーションの開発に取り組みました。実際に、自ら考案したアプリケーションを開発し、販売することで、プロジェクトの企画から実装、市場への導入までの一連の流れを経験しました。この過程で得た知識と実践的なスキルは、エンジニアとしての基礎をしっかりと築くことができました。システムエンジニアとしての知識とスキルを積極的に習得し、短期間で戦力として貢献できると考えています。
未経験で事務職に転職する場合
私の強みは、販売職で培ったコミュニケーション能力です。顧客とのやり取りを通じて、ニーズを的確に理解し、迅速かつ丁寧に対応するスキルを磨いてきました。この経験は、社内外のコミュニケーションにおいても効果的に活用できると考えています。また、事務職に必要なPCスキルを身につけるために、積極的に自己学習を行っています。Excel、Word、PowerPointなどのオフィスソフトウェアを中心に、データ管理や文書作成の技術を高めてきました。未経験の分野への挑戦ですが、これまでに培ったコミュニケーション能力と、自ら学び成長し続ける姿勢で、貴社に貢献していきたいと考えています。
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履歴書・職務経歴書の自己PRのNG例
応募企業のニーズとズレたアピールをする
自己PRは応募企業のニーズに合った能力や強みがあることをアピールする場なので、どんなに素晴らしい能力であっても応募企業で活かせる能力でないと「ミスマッチ」と判断されてしまいます。
書類選考では、応募基準に満たしているかを判断しているので、履歴書や職務経歴書で企業の募集要件を満たしていることを記載することが重要です。
自己PRはいくつか考えておき、応募企業に合ったものを選ぶと効率的です。少なくとも志望度の高い企業については、求める人物像や能力などを調べた上で個別に作成することをおすすめします。
アピール内容に客観性がない
自己PRに記載した内容がどのくらいすごいことなのか面接官が判断できない場合があります。「業務効率化に成功しました」「売上1億を達成しました」といった内容は、それがどのくらい難易度の高いことなのか、判断基準がないと正しく伝わりません。業務効率化の例だと具体性に欠けていますし、売上1億は単価や商材によっても難易度が異なってくるでしょう。
これらの内容に客観性を持たせるためには、「目標達成率に対してどのくらいだったのか」「社内の営業メンバー何人中何位なのか」「業務効率化前後での改善比」など、比較対象を合わせて説明するようにします。
アピール内容が抽象的
「コミュニケーション能力が高いので、顧客との関係構築が得意です」のように、自分の主観だけで自己PRを書いてしまわないように気を付けましょう。「社交性」「積極性」など抽象度の高い内容は、具体的なエピソードや実績などを添えるようにします。
能力を活かして具体的に取り組んだ内容、成果、周囲からの評価など、具体的なエピソードをいれると客観的な裏付けになります。あなたが強みを活かして入社後も活躍できる人材であることを、面接担当者が想像できるように意識するといいでしょう。
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まとめ
履歴書や職務経歴書における自己PRの重要性とその書き方について詳しく解説しました。自己PRは簡潔に要点を絞って具体的に書くことが重要です。応募企業が面接をしたいと思うように、企業のニーズや求める人物像にマッチした自己PRを書きましょう。
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