長く働ける仕事とは?環境や制度など重要なポイントも解説
更新日:2024.02.05
この記事のまとめ
結婚や出産などで一時的に仕事を離れることになっても、復帰をして長く働きやすい仕事に就きたいと考えている人は多いのではないでしょうか。働き方や企業との関係性、仕事の探し方などが多様化している現在、女性が長く活躍できる働き方や仕事にはさまざまな選択肢があります。
本記事では、女性が長く働きやすい職種や環境、企業が取り入れている制度を紹介します。女性が長く働ける仕事の見つけ方や、身につけておくといいスキルも解説するので、参考にしてください。
女性が長く働ける職種とは
女性が長く働きやすい仕事の特徴として、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる職場を選べる仕事や、資格があれば復帰・転職がしやすい仕事、独立開業も目指せる仕事などが挙げられます。
本項では、そんな女性が長く働ける仕事を職種別に紹介していきます。
営業職
長く働ける仕事に就くことを希望する求職者にとって営業職の最大の魅力は、評価が売上で決まるため裁量を持って働ける点です。
他にも、個人プレーになることが多いため裁量を持って働けるところも魅力です。また、自分が頑張った分だけ評価されるため、やりがいを感じる機会も多くあります。あくまで結果で評価される仕事であり労働時間で成果を測るわけではないので、 会社によっては時短勤務なども可能なことから、意外にも育児と両立しやすい職種です。
営業の仕事に対して、「外回りが多く、体力勝負なのでは?」「飛び込み営業が多そう」といった不安を持つ人がいるかもしれません。でも 実際には、外回りや新規開拓のない営業職もあります。
例えば「内勤営業」は、保険代理店や旅行代理店の窓口に来店した顧客に対して営業を行います。IT系の企業では、電話やメール、Web会議システムなどを使い、見込み客や潜在顧客にアプローチする「インサイドセールス」と呼ばれる職種もあります。いずれの場合も社内での勤務で、外回りはありません。
また既存顧客に対してフォローやサポートを行いながら、追加購入やより上位の商品・サービスへの移行を促す「ルート営業」なら、飛び込み営業やテレアポを行うことは基本的にありません。
関連記事:女性にとって営業の仕事はきつい? 実は未経験でも働きやすい理由を解説!
エンジニア
IT業界では在宅勤務やリモートワークを推奨している会社が多く、時短勤務やフレックスタイムでの柔軟な働き方が可能な企業もたくさんあります。子育てとの両立がしやすいことから人気の業界です。 しかし、IT業界は次々と新しい技術が登場するので、常に自己研鑽して最新の情報をキャッチアップできるスキルがないと、市場価値はどんどん下がっていきます。みずから進んで必要なスキルを学べたりする人なら、長く活躍できるでしょう。
中でもエンジニア職は、男女問わず技術を磨くほど人材市場でのニーズが高まり、自身の市場価値が上がって高い年収を得ることができる点が魅力です。ただし、IT業界は次々と新しい技術が登場するので、常に自己研鑽して最新の情報をキャッチアップできるスキルがないと、市場価値はどんどん下がっていきます。みずから進んで必要なスキルを学べたりする人なら、長く活躍できるでしょう。
関連記事:未経験でも女性エンジニアになれる?転職で失敗しないためのコツも紹介!
看護師
看護師は体力的に厳しい面もあり、不定休で夜勤もある仕事です。しかし、 看護師の資格は国家資格であり、出産や子育て、介護などで一度仕事を離れても、資格があれば復職しやすい職種です。
看護師の働き方は、総合病院や個人病院、何科かといった勤務場所によって勤務形態が変わってきます。そのため、自信のライフスタイルに合わせて働きやすい職場を探すこともできるでしょう。
患者さんやそのご家族の支えとなり、人生に寄り添うことができる、非常にやりがいのある仕事の一つです。
薬剤師
「令和2(2020)年:医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、 全国の届け出薬剤師数は 321,982 人です。男性が124,242 人であるのに対し、女性は197,740 人となっており、女性が多く活躍している職種です。
年齢を見ても、「30~39 歳」が 82,378 人(25.6%)と最も多く、次いで「40~49 歳」が73,305人、70歳以上でも活躍している人もいることから、長く働き続けられる職種であることがわかります。
薬剤師も看護師と同様に、国家試験に合格した有資格者でなければなりません。調剤薬局やドラッグストアでは、一度仕事を離れた場合でも、薬剤師の資格と知識、豊富な経験があれば復職しやすい傾向にあります。
また、 管理薬剤師の実務経験があれば、優遇されて収入アップにつながる転職ができる可能性もあるでしょう。
ケアマネージャー【介護職】
介護職自体は肉体労働かつ、夜勤もあり体力的に厳しい面もあります。しかし、ケアマネージャーになれば、自宅介護のための介護サービスを展開している居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、地域包括支援センターなどで、サービス計画書であるケアプランを作成したりサービス事業者との調整をしたりする仕事のため、時間の融通がしやすく、介護士に比べ体力面での負担が小さいことから女性が長く働ける職種と言えます。
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員の実務研修受講試験に合格しなければなりません。この試験の受験資格として、5年以上(900日以上)の実務経験が必要です。資格取得までには、体力を使う実務経験は必須ですが、看護師や薬剤師と同様に、資格があれば出産や子育てなどで一度仕事を離れても復職することができ、長く働けるでしょう。
エステティシャン
エステティシャンは、ネイルやフェイシャル、瘦身やマッサージ、リンパドレナージュやリラクゼーションなど美容に関する技術やサービスを提供します。
会社によって給料制度は異なりますが、歩合制が導入されていることが多いため、顧客が増えることで、給料の増加も見込めます。自分の頑張りがわかりやすい形で評価される仕事といえるでしょう。エステサロンは女性の割合が多いことから女性が働きやすい制度が整っている場合が多く、技術を身に付けたいジャンルで経験を積み、将来的には自分でサロン開業も目指せます。
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女性が長く働ける環境や制度
女性が長く働くためには、結婚や出産などのライフステージに合わせた変化に対し、柔軟に対応できる勤務形態があることが理想的です。
しかし、勤務形態だけでは長く働ける職場の条件として十分に整っているとは言えないでしょう。ここでは勤務形態以外にも女性が長く働ける環境や制度を解説していきます。
柔軟な勤務形態の制度を導入している
フレックスタイム制や時短勤務、週休3日制など、柔軟な勤務形態の制度を利用できる会社なら、子育てや介護などライフスタイルの変化に合わせて勤務形態を選べます。実際に時短勤務やフレックスタイムなどの勤務形態を取り入れている、子育てをしている女性社員がいることで、安心して子育てもしやすく、継続して長く働くことができるでしょう。
女性のキャリアアップの事例がある
長く働くには給与ややりがいも重要です。ずっと働いているのに会社から評価されなかったり、給与が上がらなかったりすると、仕事を続けるのがつらくなります。
そのため、転職先を探す際は、女性のキャリアアップや評価制度、昇給・昇進の機会なども調べることが大切です。さらに深ぼって、 面接時に産休明けにキャリアアップをした事例も聞いてみると、転職先の選定の要素の一つになるでしょう。
休暇制度が利用しやすい
生理休暇や産休、育休などの休暇制度が整っていることは長く働くために重要ですが、制度があるからといって本当に利用しやすいとは限りません。制度があるだけでなく、生理休暇・産休・育休制度を実際に利用している人がいる、休暇取得後に復職して働いている人がいるかが、重要なポイントです。
女性の取締役・管理職がいる
取締役や管理職に女性がいるということは、女性が活躍しやすい環境といえるでしょう。 そういったロールモデルがいることで、自身が活躍するキャリアを描きやすくなります。 結婚や出産、介護などで仕事との両立ができるか悩んだ際にも、諦めずに仕事を続けやすくなるでしょう。
また、女性がいることで出産前や生理・PMSなど女性の体調面の悩みや家庭の事情の悩みも相談しやすく、働きやすい環境にもなるでしょう。
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女性が長く活躍できる職場を見つけるには
女性が長く活躍できる職場を見つけるには、どうすればいいのでしょうか。ここでは、職場探しの際に目安となる企業の認定や制度を説明します。また、女性に特化した求人サイトやエージェントを活用する方法も紹介します。
「女性の活躍推進を行っている企業」を調べてみる
①えるぼし認定
えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づいた一定基準を満たし、女性の活躍に関する状況や取り組みなどが優良な企業を、厚生労働省が認定する制度です。 えるぼし認定には1つ星から3つ星まで3つの段階があり、基準を満たしている項目数に応じて取得できる星の数が決まります。
基準となるのは、採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの5つです。「プラチナえるぼし認定」を受けている企業は、特に女性の活躍促進において、優れた結果を収めているという目安になります。
えるぼし認定されている企業は、厚生労働省が運営している職場情報総合サイト「しょくばらぼ」の『職場情報検索』で検索をすることができます。
※出典厚生労働省-女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」
②くるみん認定
くるみん認定とは、子育てサポート企業として一定の基準を満たした企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。 くるみん認定を受けるには、一定水準以上の育児休業取得、育児に伴う時短勤務制度の設置などの基準を満たす必要があります。
特に仕事と子育ての両立ができる支援や取り組みが進んでいる企業は「プラチナくるみん認定」を受けることができます。「プラチナくるみん認定」は、子育てしながら長く働きたいと考える女性が、働きやすい職場を探すときの目安になるでしょう。
くるみん認定されている企業は、厚生労働省のHPにある『くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧』で、くるみん認定は各都道府県毎に、プラチナくるみん認定は全国で取得している企業を見れます。
※出典:厚生労働省-くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
③地域ごとに実施している認定も確認
県や市ごとに実施している女性活躍推進の認定もあります。
例えば、宮城県では女性の登用、配置状況や仕事と家庭の両立支援など、一定の基準を満たしている企業に「女性のチカラを活かす企業認証制度」をしています。
また、大阪市では女性にとって働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。この取り組みの一環として、一定の基準を満たしている企業には「女性活躍リーディングカンパニー」の三ツ星認証を実施中です。
内閣府でも地域の実情に応じて女性が活躍できるように、全国のさまざまな県や地域で女性の活躍推進事業の支援を行っているため、今後ますます女性の活躍を推進するための制度は増えていくでしょう。
※出典:宮城県公式ウェブサイト-女性のチカラを活かす企業認証制度
※出典:大阪市-女性が活躍できる企業を応援しています!「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」認証
企業独自の女性が長く働ける制度を確認する
女性が長く働けるように、独自の制度を導入している企業も多くなっています。気になる企業のホームページや会社案内などから、制度や取り組みを確認してみましょう。 また、そのような会社で働いている知人がいれば、直接聞いてみるのも1つの方法です。
育休やフレックスなどの制度は利用しやすい環境か、利用する場合に注意点など、実際に働いている人の声を聞くことで、具体的にイメージがしやすくなるでしょう。良い面だけでなく悪い面も含めてリアルな声を聞ければ、働き始めたあとに感じるギャップも減らすことができます。
女性に特化した転職・求人サイトを利用する
女性に特化した転職サイト・求人サイトなら 、「産休・育休取得の実績がある」「女性管理職がいる」「子育て中のママが在籍している」など、女性ならではの条件で検索ができます。 また女性に特化したサイト以外でも、女性のための特設ページや特集が組まれている場合もあります。
転職サイトは一度に多くの求人情報を得ることができるので、比較検討しやすいのがメリットです。
転職エージェントを利用する
転職エージェントなら、女性管理職の割合や、実際の職場の空気感など働いてみないとわかりづらいようなことも相談できます。 「同僚・上司・部下のコミュニケーションが活発か」「産休や有給休暇を取得しやすいか」「残業は少ないか」など企業内のリアルな様子も確認できるため、転職後のギャップも減らせるでしょう。
また転職サービスによっては、女性の転職に特化したエージェントサービスもあります。こういったエージェントは女性の転職支援経験が豊富なので、それまでの経験をもとにした、女性が長く働くためのキャリアサポートを提供してくれるでしょう。
関連記事:女性向け転職エージェントを使うメリットとは? 活用方法と注意点も解説
関連記事:転職エージェントの賢い使い方!選び方の基準や利用の流れも解説
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長く働くために身につけたほうがいいスキル
コミュニケーション能力
長く同じ職場で働くためには、人間関係を良好にしておくことがとても大切 です。また、社歴が長いと社内の人間関係を取り持つ役割を任されることも多くなり、そこであらゆる人と円滑なコミュニケーションをとる必要があります。「話すのが得意=コミュニケーション能力が高い」と捉えられがちですが、一方的に自らの話だけをするのが得意なのは、コミュニケーション能力が高いとはいえません。
コミュニケーションは双方向のものです。そのため、相手に自分の言いたいことを正確に「伝える力」と、相手の言葉を正確に聞く「傾聴力」の両方が備わっていることが大切です。また言葉以外だと、相手の表情などで気持ちを汲み取れる「読み解く力」もあると、より相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーションが取れるでしょう。
PCスキル
PCは業務で使用する方も多いと思います。PCスキルを高めるメリットは業務効率が改善されるため、残業時間を減らせる点です。
PCスキルに自信のない人は、まず基礎を覚えていきます。ブラインドタッチの練習やショートカットキーを覚えて、PC作業における無駄を削減していきましょう。習得のコツとしては「反復」です。何度も反復練習することで、指に動作を覚えさせられます。
ある程度PCスキルに自信がついたらExcelやWordといった業務でよく使用するソフトを使いこなせることを目指しましょう。とくにExcelは集計やデータの作成が簡単なことから、使いこなせれば人的作業を大幅に削減できます。こういったソフトは独学でスキル習得できます。操作について解説している本や、最近ではYouTubeなどの動画でも解説しているので、自分に合った勉強方法を取り入れましょう。
下記記事では、女性が長く働くために大切なことや役立つ資格を紹介しています。医療・介護系、事務系などのジャンル別に資格を紹介しているので、将来性を考慮しつつ、自分でチャレンジできそうなものを探してみてください。
関連記事:女性が長く働ける仕事を見つけるには?キャリアップに役立つ資格も紹介
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まとめ
結婚や出産などのライフスタイルが変化しても、長く働ける仕事を見つけるにはいくつかの方法があります。
- 年齢を重ねても活躍している人が多い職種に転職する
- 女性が長く働ける環境や制度が整った企業を探す
- 長く働くためのスキルを身につける
上記の方法を参考に、自分が長く働くのに適した、職種・企業を見つけていきましょう。
長く働きたいという希望はあるものの、キャリアプランや働き方が明確に定まっていない、自分に合う仕事がわからないといった場合は、キャリアアドバイザーに相談するのも1つの方法です。
長く働くためのキャリアプランの描き方や自分に合った職場の選び方についてキャリアサポートだけでなく、選考での書類添削や面接対策などの実戦的な転職サポートもしてくれます。
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