くるみんとは? 子育てと仕事を両立しやすい会社を見つける目印!

更新日:2024.03.27

この記事のまとめ

  • くるみんマーク、プラチナくるみんはいずれも、女性が長く働ける環境や制度が整っている企業であるという目安。
  • くるみんマークを取得していることは、一つの安心材料になる。
  • 自分が働く部署では実際どうなのかを、企業にしっかり確認した方が良い。

「くるみん」や「プラチナくるみん」をという言葉耳にしたことがある女性は多いのではないでしょうか。いずれも、女性が長く働ける環境や制度を整っていると国に認められた企業に与えられる認定マークです。
ですが、具体的にどんな内容なのか知っている人は少ないはず。転職時の企業選びでは、ひとつの目安になりますので女性は特に知っておきましょう。今回は「くるみん」「プラチナくるみん」のメリットや認定基準、取得している企業などについて詳しく解説します。

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監修者:伊藤 泰子
監修キャリアアドバイザー
伊藤 泰子
【保有資格】2級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー
「type転職エージェント」のエキスパートキャリアアドバイザーとして、10年以上にわたり8,000名を超える転職希望者のキャリアサポートを行ってきた。転職活動を「客観的に自分を見つめるチャンス」と定義し、現在ではIT領域の転職希望者に対して「納得感のある転職成功」の実現に向けたキャリアプランを提案し続けている。

くるみんマークとは

くるみんマークとは

 くるみんマークとは、2003年に制定された次世代育成支援対策推進法に基づく制度で、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣より認定を受けたという証のこと。 2022年10月末の時点で、全国4037社の企業が認定されています。

以前は結婚・出産したら仕事を辞める人が多かったですが、今では長く働き続けたいという志向の女性が増えてきています。

 少子高齢化に伴う労働力不足や、女性活躍推進法の制定に伴い、企業側も労働力を確保するために女性社員の就業をサポートしていることをアピールする必要が出てきました。 
ホームページでいくら「女性の働きやすい職場です」とアピールしても、「それって、本当?」と思われがちです。 そこで、働きやすい環境を整え、その実績もあり、行政機関による認定も受けていることをアピールすることで、女性の求職者に訴求しようと考える企業が増えたのです。 

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くるみんマークのメリット

くるみんマークのメリット

企業にとってのくるみんマークのメリット

認定企業になると、「くるみんマーク」のロゴを商品や広告、求人広告などにつけることができます。
 子育てサポート企業であることをPRできるため、企業イメージのアップや社員の意識改革、生産性の向上につながり、社員採用でも有利に働きます。女性の働きやすい企業としてアピールすることができるのです。 

また、税制や公共事業の入札などで優遇されるというメリットもあります。

転職者にとってのくるみんマークのメリット

くるみんマークを取得していることは、一つの安心材料になるでしょう。公的機関による後ろ盾があるという安心感も大きいはずです。

 とはいえ、提出しているのはあくまでも「会社全体」の実績。実際は、部署によってばらつきがある可能性も。 

たとえば、女性が多い部署は育休所得者も多いけれど、男性の多い部署、たとえばエンジニアチームではそもそも女性が少なく、取得実績も少ないというケースもあります。

 自分が働く部署では実際どうなのかを、企業にしっかり確認した方が良いですね。 その部署ではまだ実績がなかったとしても、適用対象になるかどうかも確認してみてください。
 認定企業は、結婚・出産や子育てを経た後の働き方について質問を積極的に受け付けているはずです。 より良い働き方を社員と共につくっていくという姿勢の企業も増えていますよ。

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くるみんマークの認定基準

くるみんマークの認定基準

くるみんマークの認定を受けるためには、さまざまな認定基準を満たす必要があります。
 大まかには、子育て中の労働者が、家庭と仕事を両立させるために必要な雇用環境を整備するための行動計画を策定し、それを社員に周知すること。そして2~5年で実現すること、というものです。 2017年に、その整備すべき雇用環境の要件が大きく改正されました。

詳細の条件は下記です。

  1. 育児休業を取得した男性社員が7%以上いること。もしくは、育児休業かそれに類似する企業独自の休暇制度を利用した男性社員が15%以上いて、かつ育児休業を取得した男性社員が1人以上いること
  2. 女性社員の育児休業等取得率が、75%以上であること
  3. 3歳から小学校就学前の子どもを育てるすべての社員(パート・契約社員も含む)について、フレックスタイム制度や時差出勤、ベビーシッターの費用負担など、労働時間短縮・始業時間変更に関する制度を取り入れること
  4. 一定時間数以上の時間外労働を行っている社員がいないこと
  5. 所定外労働時間の削減、有給休暇の取得促進、多様な労働条件の整備のいずれかについて対策を行うこと

となっています。労働基準法や育児・介護休業法といった、働き方や子育てに関する法律に違反する重大事項がないことも必須です。

2017年の改正によって男性の育児休業に関する規定がゆるやかになり、「育児休業に準ずる企業独自の休暇」でも可となりました。これは、男性の育児参加をよりうながすためです。

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くるみん取得企業例

くるみん取得企業例

取得企業は東京都内だけでも1000社以上。日清食品株式会社、味の素、エスビー食品、森永乳業株式会社、資生堂、キリンビバレッジなど有名メーカーや、コンビ、雪印ビーンスターク、などベビー用品・子育て関連商品を扱う会社、クラレ、古河機械金属、沖電気工業といったB to B企業、みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、岡三証券、三菱総合研究所などの金融・コンサルティング系まで数多くの会社が取得しています。

ベンチャー企業では、GMOインターネット、オプトホールディング、サイボウズ、ディー・エヌ・エーなどWeb・IT系を中心に取得企業は増えています。希望する業界や企業における取得状況を確認したい場合は、厚生労働省のサイトで確認してみると良いでしょう。

参考URL:くるみん認定及びプラチナくるみん認定企業名都道府県別一覧

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プラチナくるみんとは

プラチナくるみんとは

プラチナくるみんとは、2015年4月より始まった より高い基準をクリアした企業に付与される認定マークです。 

育児休業を取得している社員の割合や人数の目標数値が高く、時間外労働の月平均などを公表しなければならないなど、とても高いハードルが課せられています。
プラチナくるみん認定を受けるためには、事前にくるみんマークの認定を受けていなければなりません。2022年10月末時点で全国532社が認定と、数は多くありませんが、より安心して働ける会社であると考えて良いでしょう。

プラチナくるみんのメリット

企業にとってのプラチナくるみんのメリット

プラチナくるみんマークを商品や広告、求人広告に表示し、くるみんマークよりさらに厳しい基準をクリアしている企業であることをアピールすることができます。
くるみんマーク同様、税制優遇されたり、公共事業に入札するときに加点されたりするなどの措置が講じられています。

転職者にとってのプラチナくるみんのメリット

男性社員の育児休業取得比率が高かったり、時間外労働を削減し有給取得を促進しているなど、 女性だけでなくすべての社員にとって働きやすい環境を整えている企業だと言えます。 
子育て中はどうしても時短勤務をしなければなりませんが、その際も、「同僚が残業させられてしまうのではないか」「他の社員に迷惑をかけるのではないか」と心配する必要がそれほどないと言って良いでしょう。女性のライフイベントや、今まさに直面している大変さを受け止めてくれる企業だと考えられますね。

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プラチナくるみんの認定基準

くるみんマークの認定基準に加えて、さらに厳しい条件が加わります。
プラチナくるみんに関しても2017年に改正が行われ、労働時間数の実績数値を公表しなければならなくなりました。

  1. 育児休業を取得した男性社員が13%以上いること。もしくは、育児休業かそれに類似する企業独自の休暇制度を利用した男性社員が30%以上いて、かつ育児休業を取得した男性社員が1人以上いること
  2. 所定外労働時間の削減、有給休暇の取得促進、多様な労働条件の整備のすべてについて対策を行い、時間外労働と有給休暇については数値目標を定めてそれを達成すること
  3. 出産した女性社員のうち90%が、出産から1年後に在籍していること(育児休業中でも可)。もしくは、出産した女性社員か出産予定で退職した女性社員のうち55%が、出産から1年後に在籍していること(育児休業中でも可)
  4. 育児休業を取得したり、子育て中の女性社員がこれから先も仕事を続け、活躍し続けられるよう、スキル向上やキャリア形成のための取り組みを計画し、それを実施していること
  5. フルタイム労働者の時間外労働・休日労働の月平均時間を公表すること
  6. 時間外労働が月平均60時間以上になっている社員の数を公表すること

プラチナくるみん取得企業例

プラチナくるみん取得企業例

プラチナくるみんの取得企業は全国で500社弱。より厳しい認定基準をクリアしなければならず、数も少なくなっています。
首都圏では伊藤忠商事、住友商事、三井物産、三菱商事、りそな銀行、ケーズホールディングス、イオン、京葉銀行、ヒゲタ醤油、ANAエアポートサービス、NTTドコモ、ソフトバンク、旭化成、イトーヨーカ堂、オルビス、花王、キユーピー、サントリーホールディングス、コニカミノルタ、ツムラなど、業種や業態は多岐にわたります。全体的に、規模の大きい企業が多いようです。

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まとめ

 くるみんマーク、プラチナくるみんはいずれも、女性が長く働ける環境や制度が整っている企業であるという目安です。  くるみんマーク以外にも、女性活躍推進法に基づいて優良な取り組みを実施した企業693社に、「えるぼし」という認定マークも付与されています。こちらも厚生労働省のサイトに認定企業一覧が出ているので、参考にしてみると良いでしょう。
認定企業一覧をもとに業界研究、企業研究をすると、企業選びの助けになるはずです。とくにくるみんマークは、規模にかかわらずさまざまな企業が取得しているので、これまで検討したことのなかった企業と出会える良いチャンスだと言えます。

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