30代で初めての転職は難しい?転職を成功させるために大切なこと

更新日:2024.02.05

この記事のまとめ

  • 職種や雇用形態にもよりますが、中途採用の方針として35歳以下を希望する会社が多いのは事実。
  • 30歳以上の転職は20代よりも採用率が低い。
  • しかし、これまで築いてきたスキルや経験を武器に、転職を成功させる人も多い。

30代になると仕事にも余裕ができ、これからの仕事に関してより深く考えるようになったり、結婚・出産・育児・健康・両親のことなどさまざまなライフスタイルの変化が訪れやすい年齢でもあります。そのような状況が転職を考えるきっかけの1つとなるようです。

しかし、はじめての転職に「どう行動してよいかわからない」「30代は転職に不利なのでは」など、疑問や不安を感じる人も多いのではないでしょうか。この記事では、30代女性の転職の現状や30代で初めての転職を成功させるためのポイント、また、未経験の業界に転職する際の注意点も紹介します。

 

監修者:坂本 麻奈実
監修キャリアアドバイザー
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント
前職ではブライダルジュエリーの専門店で店長を経験。転職を考えたのは、ビジネスパーソンとして今後も社会で活躍できる女性でありたいと考えたから。一生に一度の結婚のお手伝いという職からより相手の人生に関わる深いサポートを行いたいと、キャリアアドバイザーへ転身。店長として店舗スタッフをマネジメントしていた経験から販売サービスの分野に特化したキャリアアドバイザーである。

30代女性の転職の現状

実際、現在の30代女性の転職状況はどうなっているでしょうか?厚生労働省が発表したデータをもとに解説していきます。

転職入職者の割合

厚生労働省が、令和元年から3年に調査した「年齢階級別 転職入職率」によると、30代女性の転職入職率(パート除く)は、令和3年に数ポイント下落、20代は半分近く下落しています。

【年齢階級別 転職入職率 (女性一般)】

年齢 令和元年 令和2年 令和3年
20歳~24歳 14.9% 13.0% 6.9%
25歳~29歳 14.7% 12.2% 6.8%
30歳~34歳 9.6% 7.9% 5.3%
35歳~39歳 0.2% 8.5% 4.5%

出典:年齢階級別 転職入職率 (女性一般)「令和3年 上半期」
出典:年齢階級別 転職入職率 (女性一般)「令和2年」
出典:年齢階級別 転職入職率 (女性一般)「令和元年」

令和元年以降、20代、30代ともに、転職する女性は減少傾向にあるのが見て取れます。

また令和3年(上半期)に転職者が減っているのは、コロナによる経済活動の停滞で、企業の求人が減ったためと考えられます。

30代の転職成功率

30代の転職成功率

令和元年の「転職希望者に占める転職就業者の割合」を見ると「20代前半までの転職成功率は60.7%、25歳から29歳までは50.3%」という結果でした。一方、「30代は前半後半ともに41.9%、40歳に入ると36%台」に低下しており、年齢が上がるにつれて、転職の成功率は低くなる傾向があります。

引用:図表17「転職希望者に占める転職就業者の割合」

関連記事:女性向け転職エージェントを使うメリットとは? 活用方法と注意点も解説

一般的には35歳が分岐点と言われている

一般的には35歳が分岐点と言われている

一般的に、35歳を分岐点に転職の成功率は低下すると言われていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。また、35歳以上は本当に転職で不利になるのかを解説します。

転職入職者の割合

雇用対策法施行規則では、基本的に求人の年齢制限を禁止しています。企業側は年齢を理由に応募を拒否したり、面接で採否を決定したりすることはできませんが「長期勤続によるキャリア形成」を図る観点から、未経験者に限っては35歳未満限定の求人募集が許可されることもあります。技能やノウハウの継承など、自社内でのキャリアの形成に時間がかかる求人には、若手の人材が不可欠という理由がその1つです。ただし、実際にはキャリアや実績が認められれば35歳以上でも採用されるケースは少なくありません。

35歳以下を希望する会社が多い

職種や雇用形態にもよりますが、中途採用の方針として35歳以下を希望する会社が多いのは事実です。企業側はポテンシャルを重視して、20代の若い人材を積極的に採用する傾向があります。

35歳以上になると、社会経験が豊富で自分自身の考えが確立する年代。企業の理念や考え方などをしっかり覚えてもらう理由で、若手を採用する企業も多いです。加えて、35歳以上の転職者は既存社員と比較されやすく、ある程度の実績やスキルがなければ採用が見送られるケースも多いようです。

35歳以上の転職は厳しくなる?

30歳以上の転職は20代よりも採用率が低いのが実情です。女性の場合、出産や育児のピークに当たる年代であることも1つの要因のようです。しかし、これまで築いてきたスキルや経験を武器に、転職を成功させる人も多くいます。女性のライフスタイルを柔軟に受け入れている企業や、今までのキャリアをうまくいかせる業界など、自分自身の働き方とマッチする会社を見つけることも重要になってくるでしょう。

関連記事:30代女性転職成功のポイント・後悔するパターンとは?

同業種・同職種の転職と未経験の業界は難易度が異なる

同業種・同職種の転職と未経験の業界は難易度が異なる

年齢だけではなく、同業種・同職種への転職と、未経験の業種・職種への転職でも難易度は少し異なります。それぞれの転職ポイントを確認しておきましょう。

同業種・同職種の転職の場合

30代の転職では、経験やスキルを持つ「即戦力」となる人材が求められます。これまで培ってきた知識や経験、仕事の専門性などを活かせる同業種・同業界であれば、比較的、転職に成功する確率も高いと言えるでしょう。面接では、過去の具体的な実績やスキルを、どのように企業で活かせるのかを伝えることが大切です。

未経験の業界へ転職する場合

30代の転職者に求められるのは企業の即戦力となる人材です。キャリアを一度リセットして再開するため、未経験の業界への転職は、年齢が上がるにつれて採用のハードルも高くなる傾向があります。

異業種に転職するには、実績はもちろん、その業界に必要なスキルや環境に適応する柔軟さ、学習能力の高さなどを証明できるかがポイントになります。たとえ未経験であっても、これまで築いてきた実務経験や実績、スキルを活かせる業種を軸にして求人を探すのも1つの方法です。

関連記事:キャリアチェンジとは? メリットデメリットやタイミングを解説

30代で初めての転職を成功させるためには

30代で初めての転職を成功させるためには

ここまでは30代で初めて転職する場合の特徴や難易度などについて解説してきました。ここからはそれらを踏まえて、30代初めての転職を成功させるためのポイントについて解説していきます。

今までの経験やスキルを整理する

厚生労働省の転職者実態調査によると、企業側が転職者の採用に重視した点は「これまでの経験や知識、能力を重視する」が最も多く、ついで「年齢」、3番目は「免許・資格」という結果が出ています。つまり自分が今まで培ったスキルや実績、強みなどを、転職後にどのような形で会社に貢献、また発揮できるのかを整理するのがポイントです。

未経験の業界や業種に転職する場合でも、これまでの経験やスキルを活かせるポイントを探して整理しておくことが重要です。

転職を考えている業界の分析する

転職を成功させるには、転職したい業界の方向性や動向を事前に分析しておくのがポイントです。分析を行うことで「どのような人材を求めているのか」「必要なスキルはなにか」など、業界の全体像を把握することで、入社後のギャップを解消できます。

業界への理解が深まると自分の適性を知れる転職活動を有利に進めていくことができます。そのため、視野が広がって就職先の選択肢が増えるきっかけにもなるでしょう。また、自分がこの業界で働きたいという理由も明確になり、面接時に志望動機を具体的に説明しやすくなるというメリットもあります。

会社の環境や待遇・制度を調べておく

転職したい企業の環境や待遇、制度などを前もってリサーチしておきましょう。転職後も長く働ける環境かどうかを見越して、産休や育休が使いやすいか、託児所が設置されているかなどをしっかり確認しておくことが大切です。

女性にとって働きやすい企業を見つけるには、職場に女性管理職や女性社員がどれくらい活躍しているかを確認するのもポイントです。また女性が多く活躍する企業は、結婚や出産子育てなど、女性ならではのライフステージに柔軟に対応できる制度、環境整備が整っている傾向があります。求人サイトだけではなかなかわかりにくい部分もあるので、企業のWebサイトを見たり、転職エージェントを利用したりして、確認することもできます。

転職のスケジュールを把握する

転職のスケジュールを把握しておくと、余裕を持って転職活動に臨めます。転職活動の期間は人によって異なりますが、事前準備から入社するまでの期間は、3ヶ月~6ヶ月程度を想定しておくとよいでしょう。

  1. 事前準備(自己分析・情報収集)
  2. 書類作成・応募
  3. 面接対策・面接を受ける
  4. 内定獲得
  5. 退社・引き継ぎ
  6. 入社準備

まず、事前準備として転職の目的、経験、スキルなの整理と、転職したい業界や企業の情報収集をしましょう。気になる企業が見つかったら、履歴書や経歴書などの書類を作成し応募します。内定を獲得した場合は、現職の退社と引き継ぎの手続きをして入社準備を進めましょう。

関連記事:転職活動の流れと注意点

面接の準備をしておく

転職の理由や前職での経験など、面接で質問されることの多い質問に、しっかり受け答えできるよう準備しておきましょう。前もって業界・企業分析をし、自分の適性や強み、志望動機などを明確にしておくことで、面接官の質問にも焦らず対応できます。

志望動機は、企業の経営姿勢や製品、サービスなどから具体例を挙げて、魅力に感じた点を自分の言葉で伝えるのがポイントです。また、転職理由を聞かれた場合は、現職の不満を述べてはいけません。働いている会社の不満を聞いて良い印象を持つ企業はいないからです。

関連記事:転職の面接でよく聞かれる質問と好印象を与える回答のコツ

転職の相談先を持っておく

初めての転職で疑問点や悩みが出た時に備えて、転職に関する相談先を持っておくと安心です。たとえば、転職経験のある身近な人なら、これまでの経験を元に「苦労したこと」や「やっておけばよかったこと」などを聞けます。

相談先として「転職エージェント」のキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。最新の転職情報やノウハウ、また、自分に適した業界や職種など、自分の強みがわからない人に向けた適切なアドバイスももらえます。さらに、表向きにはわからない企業の情報や、面接で聞きにくい給与や休暇制度についても、転職エージェントを通して確認できるのがメリットです。

関連記事:転職エージェントの賢い使い方!選び方の基準や利用の流れも解説

まとめ

一般的に転職の成功率は年齢が上がるほど、難しくなる傾向にありますが、これまでの実績・スキルを整理し、キャリアを活かすことで、転職活動を有利に進められます。また、転職を成功させるには、女性のライフスタイルを柔軟に受け入れている企業や、リモートワークやフレックスなど、働き方の自由度がある会社を選ぶのも1つの方法です。転職に疑問点や不安を抱えている人は、個々の転職に応じて適切なアドバイスがもらえる、転職エージェントを利用するのもおすすめです。

type女性の転職エージェントでは、 女性向け個別転職相談会・セミナーを実施しています。女性の転職支援の経験が豊富なキャリアアドバイザーに、転職の悩みやキャリアをご相談ください。転職のスペシャリストであるキャリアアドバイザーが無料で1対1の相談を承ります。

人気記事ランキング
Page Topへ