面接の流れflow
中途採用における選考の流れは、「書類選考→一次面接→二次面接→最終面接」が一般的です。面接は書類選考の通過後に行われ、回数は企業によって差があるものの、通常は1~3回ほど実施されます。
面接の時間は30分から1時間程度です。挨拶と自己紹介で始まり、転職理由や志望動機、スキルや経験などを確認する質疑応答が行われ、最後に逆質問を求められるパターンが一般的です。基本的な面接の流れは、対面でもオンラインでも同じです。
面接で準備しておくことpreparation

質疑応答の準備
面接でよく聞かれる質問に対する回答を考え、メモに書き出します。また、回答の裏付けや根拠となる具体的なエピソードを用意し、実際に声に出して話す練習をすることが大事です。面接でよく聞かれる質問については、「面接でよくある質問と回答のポイント」で詳しく解説します。
企業のホームページや募集要項に目を通し、自分が応募する業界・職種・会社への理解を深めることも必要です。例えばWeb関連の職種なら、面接の場で自社のWebページに対して意見を求められることもあります。事前にその会社や仕事について調べておかなければ答えられない質問も多いので、業界研究や企業研究は必須です。
また、面接の最後に必ずといっていいほど面接官への「逆質問」を求められるので、いくつか質問を用意しておきましょう。事前に企業研究をしていれば、転職希望者として確認しておきたいことが色々と出てくるはずです。
持ち物の準備
企業への提出書類など忘れないように準備します。当日履歴書や職務経歴書を提出する場合は、日付が面接日になっているか、顔写真の貼り忘れがないかも確認しましょう。会社案内などの書類を頂く可能性もあるので、A4が入るバックを準備し、筆記試験や応募書類への記入する可能性もあるので、筆記用具も忘れずに用意しておきます。
また、服にシワや汚れがついていたり、ストッキングが伝線していたり、靴のかかとがすり減っていないかも確認しておきます。ストッキングは予備をバックにいれておくといざというときも安心です。

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大事なのは「清潔感」
面接官が転職者の身だしなみで重視するのは、「清潔感」です。清潔感はどの業界や職種でも第一印象を決める大事な要素であり、面接官もその視点から転職者の服装や髪型をチェックします。だらしない印象や不潔な印象を与える服装は厳禁です。
スーツはダークカラー、インナーは白
面接では、上下同じ色のセットアップスーツの着用が基本です。ネイビーやグレーなど、知的で落ち着きのある色合いを選んでください。上着のデザインはベーシックなテーラードジャケットが無難です。襟のないノーカラーやノーラペル、ボタンが二列に並ぶダブルブレストなどは、面接の場にはお勧めできません。
インナーは白のブラウスやカットソーなど、シンプルで清潔感のあるものを選びます。派手なデザインや胸元が大きく開いたものは避けましょう。
ヘアスタイルは顔が隠れないように
ヘアスタイルも清潔感が重要です。髪がボサボサだったり、寝ぐせがついたままだとだらしなく見えます。さらには、顔や表情がはっきり見えることも大事なポイントです。顔や表情が髪で隠れていると、内向的で自信のない印象を与えます。前髪を流したり、サイドの髪を耳にかけたり、ロングヘアの場合は後ろでまとめたりして、顔まわりをスッキリさせましょう。正面を向いた時だけでなく、お辞儀をしても顔に髪がかからないスタイルがベストです。
ビジネスの場にふさわしいナチュラルメイクを
面接の場でノーメイクはNG。血色がよく、明るい表情に見えるナチュラルメイクを心がけましょう。面接では、外見の華やかさや個性を演出する必要はありません。重要なのは、ビジネスの場にふさわしい服装やメイクであることを理解しておきましょう。

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会場には10分前に到着
面接会場には10分前に到着し、5分前に担当者を呼び出すのがベストです。遅刻は論外ですが、大幅に早く到着するのもマナー違反です。受付でも、面接官に対するのと同じように礼儀正しく振る舞いましょう。受付担当者から面接官へ応募者の第一印象がフィードバックされることも多く、失礼な態度をとればすぐに伝わります。
面接前にスマホを電源オフ
部屋に案内されたら、着席して面接官を待ちます。スマートフォンや携帯電話は必ず電源をオフにするか、サイレントモードに切り替えてください。面接官が部屋に入ってきたら立ち上がり、「本日はよろしくお願いします」などと最初の挨拶を交わします。
面接中は「姿勢」「目線」「声」に気をつける
面接中は椅子に浅めに腰掛けて背筋を伸ばし、手は膝の上に置くのが基本姿勢。受け答えをする際は、相手の目を見るのがマナーです。
質疑応答では、1つの質問につき長くても2~3分以内で答えるのが適切です。声のトーンをいつもより少し上げ、普段より1.2倍くらい大きめの声で話すと、元気で活発な印象を与えられます。
面接でよくある質問と回答のポイントpoint

【自己紹介】
面接の冒頭では、まず自己紹介を求められます。時間の指定がなければ1分以内を目安とし、簡潔にまとめることが大事です。次の流れで構成するのが基本的なパターンです。
① 「挨拶」(例:○○と申します。本日はよろしくお願いします)
② 「経歴・職歴」(例:○○大学卒業後、××株式会社で法人営業を〇年経験しました)」
③ 「担当業務・職務内容」(例:主に○○業界の顧客に対し、××ソリューションの導入提案をしています)」
④ 「締めの挨拶」(例:本日はよろしくお願いします)
【転職理由】
「なぜ転職しようと思ったのか」についても、面接で必ず聞かれます。転職したいと考えるのは、今の環境では実現できないことがあるからです。面接官は転職理由を質問することで、「この人が自社で働けば、その転職理由を解決できるのか」を確認したいと考えています。
転職理由を回答する時は、具体的なエピソードとともに伝えるのがポイントです。「どのような場面で、自分が実現したいことが今の職場では叶えることが難しいと判断したか」を伝えることで、面接官も転職理由を納得しやすくなります。くれぐれも会社の愚痴や不満だけにならないように注意しましょう。
【志望動機】
その会社に応募しようと考えた動機を問う質問です。志望動機を答える際のポイントは3つあります。
①転職理由と一貫性がある
転職理由で「現在の環境では実現できないこと」を話し、志望動機で「なぜこの会社ならそれが実現できると考えたのか」を伝えれば、説得力が増します。逆に転職理由と志望動機に一貫性がないと、面接官に「この人が本当に求めていることは何なのか?」「とりあえず応募してみただけでは?」といった懸念を抱かせてしまいます。
②「この会社でなければいけない理由」を伝える
同業他社もある中で、なぜこの会社に応募したのかを明確に伝えることが大事です。どの業界や企業でも当てはまるような志望動機では、説得力に欠けます。事前にホームページや求人情報を読み込み、その会社ならではの魅力を感じた点や興味を惹かれた点、共感できる点などを答えられるように準備しましょう。
③自分の経験を活かしてどのような貢献ができるかをアピールする
自分が転職によって叶えたいことだけでなく、「入社したらどのような成果や利益を提供できるか」を伝えなければ、面接官に採用したいと思ってもらえません。これまでに身につけたスキルや経験を活かし、入社後に即戦力になれることを示すことが大事です。
【キャリアプラン】
「入社後にどうなりたいか」「将来のキャリアについてどのように考えているか」といった質問も、面接では定番です。この質問の狙いは、「入社後に長く働くつもりがあるか」「自社が用意できるキャリアパスと、本人が描いているキャリアパスがマッチしているか」の確認です。
よってこの質問には、その会社で実現可能なキャリアプランを答えるのがポイントです。なぜそのキャリアを目指すのかについて、背景や理由も説明できるように準備してください。
【答えにくい質問】
面接では「正直答えにくいな」と感じる質問をされることがあります。女性の場合は、結婚や出産などライフイベントに関する質問がそれに当たります。特に「結婚や妊娠の予定」「将来のライフプランと仕事」「残業などの働き方」に関する質問は、どう回答すべきか悩む人も多いでしょう。
企業側がこれらの質問をするのは、「長く働き続ける意思があるか」「転職者が希望する働き方を自社で実現できるか」を確認したいからです。嘘をつく必要はありませんが、ライフイベントの希望を全面に押し出すと、仕事の意欲に対して懸念を持たれる可能性があるのも事実です。よって、こうした質問には「今は仕事を優先して考えております」とキッパリと回答しましょう。
【逆質問】
ほとんどの面接では、最後に「何か質問はありますか?」と聞かれます。この「逆質問」をうまく利用すれば、質疑応答では話せなかったことをアピールできるだけでなく、自分がその会社に合っているかを見極めるチャンスにもなります。
例えば「御社で成果を出している人の共通点は何ですか」「入社までに勉強しておくことはありますか」といった逆質問をすれば、入社への意欲を示すことができます。あるいは「女性の働き方について、どのような取り組みを推進されていますか」「どのような実績を上げれば、マネジャーに昇進できる可能性がありますか」などの質問をすることで、自分が望む働き方やキャリアパスが実現可能かを判断できます。
ただし、女性の活躍事例や福利厚生について質問する際は、「会社から与えてもらうことばかり考えている」という印象を与えないように、「ここで長く活躍したい」という意思を同時に伝えることが大事です。
面接で“お見送り”になる理由と対策reasons

残念ながら面接で「お見送り」になってしまう理由は、大きく分けて2つあります。
① 転職理由や志望動機などについて考えがまとまっていない
前述の通り、面接でよく聞かれる質問はある程度決まっています。まずはこれらの質問に対して自分なりに考えを掘り下げ、メモに書き出すなどして整理することが必要です。
とはいえ、どうしても自分一人では考えがまとまらないこともあります。その場合は、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。転職のプロであるキャリアアドバイザーから、客観的なアドバイスをもらうことができます。自分で準備した回答が不安な時は、一度相談してみるといいでしょう。
②考えはまとめたものの、うまく伝えられない
この場合は、実際に声に出して話す練習が足りていないのが原因です。質問に対する回答は準備したものの、面接の本番になると、緊張して話せなくなったり、何を話せばいいのか忘れてしまったりすることはよくあります。これらのミスを回避するには、面接の場を想定し、スムーズに話せるようになるまで何度も練習を繰り返し、「これなら大丈夫」と自信をつけるしかありません。
ただ、自分一人では実際の面接を想定するのが難しいこともあります。type転職エージェントでは、応募する企業を想定した模擬面接を行なっていますので、こうした実践に即した練習の場を利用するのも有効な対策になります。
面接の通過率を上げるコツknow-how

「事前の準備」を徹底する
面接の通過率は、事前の準備で決まると言っても過言ではありません。ここまで解説してきたように、企業研究や業界研究をしたり、本番の面接を想定して話し方の練習をするなど、事前に準備できることはたくさんあります。できる限りの準備をすれば、面接を通過する確率を高めることができます。
自分の経験やスキルにマッチする求人に応募する
いくら面接を受けても、企業側が転職者の経験やスキル、キャリアパスなどが自社とミスマッチだと判断すれば、お見送りとなります。まずは求人票を確認し、応募企業の業務内容や求める人物像、キャリアパスを理解し、自分のこれまでのキャリアや転職後に希望するキャリアと合致しているかを確認してください。
ただし自分とマッチする企業に応募しても、面接で正しく受け答えができなければ通過できません。面接官の質問の意図を理解し、相手が求める答えを正確に回答するためには、やはり面接本番を想定した事前の準備が重要となります。
まとめ
summary
転職活動で面接が不安だという人もいるかもしれませんが、よく聞かれる質問と事前に準備すべきことを理解すれば、自信を持って面接に臨めます。もしお見送りになったとしても、原因を把握して適切な対策をとれば、面接の通過率を高めることが可能です。面接対策のポイントを押さえて、万全の体制で面接に臨みましょう。