転職エージェントは使わない方がいい？利用しない場合のメリット・デメリット！使わずに転職する方法と注意点を解説

① 応募できる求人が限られている

転職エージェントでは、キャリアアドバイザーに紹介された求人にしか応募できません。

志望する企業や業界、職種が決まっていて「自分でチェックしたい人」や「応募したい求人がある人」にとって、歯がゆさを感じるかもしれません。

キャリアアドバイザーが求職者の経歴や希望に沿った求人情報を厳選し、紹介するため、なかには興味のないものが送られてくる可能性もあります。

公開求人であれば確認できるので、自分から興味のある求人を見つけて打診することも可能です。しかし、「スキルが見合わない」「企業の社風とマッチしない」といった理由から断られてしまうケースもあるのです。

自分に適していない企業への応募を避けられる点はメリットともいえますが、応募の自由度が下がることには変わりないため、「転職エージェントは使わない方がいい」と考える人もいます。

転職エージェントのキャリアアドバイザーに自分にあう求人を紹介してもらうためには、紹介された求人が希望に合っているか、合っていない場合はどこに違和感があったのかをしっかりと伝え、認識をすり合わせましょう。

② キャリアアドバイザーとの相性が合わない可能性がある

基本的に転職エージェントに登録すると、求職者の経歴・希望条件と得意領域がマッチするキャリアアドバイザーが担当者となり、二人三脚で転職活動を進めていきます。

はじめにキャリアアドバイザーと面談を実施し、キャリアの棚卸しや希望条件のすり合わせをします。その後も、求人の紹介や企業との日程調整など複数回のやり取りを通して転職支援を行うことになるでしょう。

また、転職活動を進めていくうちに希望条件が変わった場合は、その都度キャリアアドバイザーに報告する必要があります。

担当のキャリアアドバイザーと相性が合わなければ、担当者を変更してもらうことも可能ですが、こうした交渉を含め、ストレスを感じる人もいるかもしれません。転職エージェントを使わなければ、担当者との関係から生じるストレスを受けることなく転職活動を進められるでしょう。

③ サポート期間が決まっている場合がある

転職エージェントのなかには、「サポート期間は3ヶ月まで」というように、制限が設けられているところもあります。一般的には、転職活動を開始してから3ヶ月ほどで転職先が決まる傾向にあるためです。

希望の転職時期が1年後などの場合は、期待するサポートが受けられない可能性があります。

「時間をかけてじっくりと転職先を探したい」や「自分に合う企業があれば転職したい」と考えている人は、無制限の転職エージェントを利用する、あるいは、使わずに転職活動を進めることを推奨します。

計画を立てて自発的に行動できる人

転職エージェントを活用すると、求人の紹介から、企業との日程調整、入社日や労働条件の交渉まで代行してもらえるため、転職活動における求職者の負担が軽減されます。

大きなメリットである反面、エージェントの担当者と一緒に転職活動を進めていくので、自分で計画を立ててスケジュール通りに進めたい人には、重荷になってしまうかもしれません。

ほかの転職方法に比べると、「自分に合う企業が見つかれば転職したい」「時間をかけて転職先を選びたい」「気になる求人にサクサク応募したい」という方も、転職エージェントを使わない方が良いでしょう。

志望する企業がすでに決まっている人

すでに志望する企業が決まっている人は、転職エージェントを使わずに企業の公式サイトへ直接応募したり、求人サイトで検索したり、SNSなどでアクションを取った方が効率的だといえます。

転職エージェントでは志望する企業の求人を取り扱っていない可能性もあります。また、転職エージェントで取り扱っていたとしても、キャリアアドバイザーが求職者に合わせた求人を厳選するため、紹介してもらえるかは定かではありません。

他社からヘッドハンティングを受けている人

他社からヘッドハンティングを受けており、ヘッドハンティング先の企業への転職を検討している場合は、転職エージェントを使わない方が良いでしょう。

一般的に転職エージェントを活用する場合、担当者と面談し、希望条件やスキルの擦り合わせをしたり、求人紹介してもらったりといった手順を踏む必要があります。

それなりに時間や労力がかかるので、企業と直接連絡を取り合っているなら、そのまま選考に進んだ方がスムーズです。

企業との日程調整や年収交渉を自分で行う必要がある

企業との日程調整や年収交渉をすべて自分ひとりで行わなければならない点が、転職エージェントを使わないことによるデメリットとして挙げられます。

転職エージェントを利用すると、担当者が企業との間に入り、面接や年収などの入社条件の調整を代わりに行ってくれます。

また、応募先企業に直接聞きづらい年収や福利厚生、有給休暇に関することも代わりに質問してくれる点も転職エージェントを利用するメリットだといえるでしょう。入社前に知っておきたいことをすべて把握したうえで、転職を検討できます。

一方で、転職エージェントを使わない場合は、日程調整や年収交渉などを自分で行う必要があります。現職が忙しく、応募する企業が複数ある場合は、日程調整も難しくなるでしょう。

非公開求人や独占求人を紹介してもらえない

転職エージェントでは、一般公開されていない非公開求人や独占求人を多く扱っています。こうしたレア度の高い求人に応募できない点は大きな機会損失だと言えるでしょう。

非公開求人	転職エージェントが自社の転職サイトやホームページなどに掲載していない「非公開の求人」のこと
独占求人	特定の転職エージェントだけがご紹介できる求人のこと

いずれも一般公開すると応募者が殺到してしまうような優良企業の求人である可能性が高いです。より良い条件で働きたい方は、転職エージェントを利用して、一般では出回らないような非公開求人・独占求人の紹介を受けた方が良いでしょう。

転職活動やキャリアに関するアドバイスを受けられない

転職エージェントを利用すると、経験豊富なキャリアアドバイザーのサポートを受けられます。転職エージェントを利用しなければ、当然キャリアのプロからアドバイスを受けたり、自分に合う求人を厳選してもらったりできません。

転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーの多くは、求職者の支援実績が豊富で、転職ノウハウを知り得ています。こうしたスキルを最大限に活かして、求職者が理想の働き方やキャリアを実現できるようにサポートするのがキャリアアドバイザーの仕事です。

時には転職を迷っている求職者に対して、現職に残ることを勧めるケースもあります。一方で、転職の意思が固まっている求職者には、経歴やスキル、希望条件に合う求人を紹介したり、応募書類を添削したり、面接の受け答えのアドバイスを行うなど、転職成功まで多角的なサポートをします。

ひとりで転職活動を進める場合は、自分に合っていない企業を選んでしまい、入社後のミスマッチが起きたり、応募書類や面接の対策が不十分で選考に通過しなかったりする可能性があります。

転職活動が長引くリスクや入社後のミスマッチが起きる可能性がある

転職活動は、求人を探したり、職務経歴書や履歴書を作成したり、面接の回答を考えるなど、事前に準備することがたくさんあるため、仕事をしながら両立することが難しく感じる人も多いです。ついつい、転職活動を後回しにしてしまい、長引くリスクもあります。

転職活動が長引くとモチベーションが下がったり、離職中の人であれば収入が途絶えることによる焦りから妥協して転職先を決めてしまったり、応募先の面接官に「働く意欲が低いのでは？」と懸念される恐れがあります。

また、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、業界や職種、企業における転職市場や動向、企業の担当者に直接確認した情報や、ネットでは公開されていない情報を知り得ており、求職者の疑問や知りたい情報を提供できるため、入社後のミスマッチが起こりにくい傾向にあります。

知りたい情報は、求人票やネット上ですべて見つけられるわけではないので、面接や企業説明会などで確認しなければなりません。確認しないまま入社すると、ミスマッチに繋がる恐れがあるため、転職エージェントを活用して情報収集に役立てましょう。

求人サイトを活用する

転職を検討している多くの人が利用するのが、ネット上で簡単に求人情報を閲覧できる「求人サイト」だといえます。

希望の職種やエリア、条件などを入力して検索すれば、該当する求人情報を一覧で閲覧可能になるため、さまざまな求人をチェックできます。

転職エージェントのように希望に沿った求人を紹介してくれるわけではなく、自分で数ある求人情報のなかから、応募したい企業を見つけて、採用担当者と直接やり取りして選考を進めていく流れです。

好きなタイミングで求人を検索したり、応募したりできる点が大きなメリットです。しかし、すべて自分で進めていく必要があるため、主体的かつ計画的に行動できる人に向いていると言えるでしょう。

ハローワークを利用する

厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関であるハローワークでは、地域密着型の求人を中心にさまざまな企業の求人情報を閲覧できます。

職業紹介のほか、雇用保険や職業訓練の案内など、国の制度を組み合わせたサポートを受けられる点が最大の魅力だといえるでしょう。

全国に500ヶ所以上展開されており、平日であれば8時30分〜17時15分まで利用できるので、最寄りのハローワークに気軽に立ち寄り、サポートを受けることが可能です。

平日の夜間や、土曜日に職業相談を利用できる窓口が設けられており、いつでも使えるハローワークインターネットサービスも提供しているので、仕事や家庭の都合で相談する時間を作れない人にもおすすめです。

また、ハローワークが主催する職業訓練に無料で参加することができるため、スキルや知識を身につけてから転職したい方にも向いています。

ハローワークの窓口に立つ職員は、必ずしもプロのキャリアアドバイザーではないため、より専門的なアドバイスを求める人は転職エージェントを利用した方が良いでしょう。

出典：厚生労働省「ハローワーク」
出典：厚生労働省「サービス提供時間延長実施施設（令和６年３月26日現在）」

企業の公式サイトに直接問い合わせをする

企業の公式サイトに特設された問い合わせページにて直接連絡をしたり、採用ページから応募したりする方法もあります。

特に転職したい企業が決まっている場合は、募集期間が終了するまでに応募しなけばならないので、転職エージェントを介さずに直接応募した方が良いでしょう。

また、企業の公式サイトへの問い合わせや直接応募は、「自社への関心が強い人材」といった良い印象を与えられ、入社意欲の高さをアピールできるため、採用に繋がる可能性があります。

スクールや通信講座の修了後に紹介してもらう

民間企業が開催するスクールや通信講座では、修了後に転職先の紹介システムを設けているところもあります。

資格勉強やスキルアップを図りながら、そのスキルを求める企業も紹介してもらえるので、一石二鳥だといえます。

資格取得後の就職・転職などを支援しているスクールを選ぶことで、新しい業界や職種にも挑戦しやすくなるでしょう。

知人紹介

友人や知人が勤めている会社を紹介してもらうのも転職方法の1つとして挙げられます。友人や知人が働いているため、仕事内容や人間関係、給与、有給の取りやすさなどの実態を把握したうえで、応募を検討できる点が最大の魅力です。

また、自分のことを深く理解する知人から紹介してもらえるのであれば、企業とのマッチング精度も高められるでしょう。こうした採用方法のことを「リファラル採用」と呼んでおり、企業側は自社の社風や働き方にマッチした人材を獲得できるので、積極的に導入しています。

しかし、知人が企業と応募者の間に入ってサポートする転職エージェントの役割を担うため、「負担をかけてしまう」、あるいは「選考を辞退したら友人にも迷惑がかかる」といった懸念点もあります。

ここ数年では、SNS上で社員が会社用のアカウントを運用しているケースも増えているので、リアルな知人や友人以外にも、「理想的な働き方を実現している人」「一緒に働きたいと思える人」に直接コンタクトを取って、紹介してもらうのも良いかもしれません。

自己分析・企業研究を行う

転職を成功するためには、自己分析や企業研究を十分に行う必要があります。

自己分析をすることで、本当に自分に合う転職先を見つけられたり、自身の強みやアピールポイントを把握できるため、面接で説得力のある回答ができ、理想の働き方を実現しやすくなるのです。

企業研究とは、会社の理念や業績、将来の展望などを調べることを指します。企業研究を十分に行えば、入社後の認識のズレを防げたり、自分が入社することでどのように貢献できるかが明確になったりするメリットがあります。

どちらも転職エージェントを利用すれば、キャリアアドバイザーのサポートを受けながら進められますが、「使わない」という選択をとるなら、自分のペースで調べながら行いましょう。

自己分析のやり方	強み・弱み、モチベーション、将来像など複数の項目とそれぞれの質問内容を用意して回答していく
企業研究のやり方	興味のある企業の公式サイトを開いて、取引先、売上げ、伸び率などをチェックする

関連記事：女性の転職活動準備でやるべき5つのポイント！準備に必要な期間も解説

スケジュールを立てて計画的に行動する

転職エージェントを活用する場合は、企業との面接日の調整や入社日の交渉などをキャリアアドバイザーが代行してくれます。

また、求人情報を探さなくても、自分に適した企業をピックアップし、紹介してくれるため現職が忙しくても効率よく転職活動を進められるのです。

一方、転職エージェントを使わない場合は、すべて自分でスケジュールを管理して、段取り良く進めなければなりません。複数社に応募するなら、ダブルブッキングしないように慎重に日程調整をする必要があるので、手帳やスケジュール管理ツールを活用しましょう。

転職理由と志望動機を明確にする

転職の面接で必ず聞かれる質問と言える「転職理由」と「志望動機」。内定獲得しやすい転職理由や、志望動機の答え方をキャリアアドバイザーがアドバイスしてくれるため、必然的に書類の通過率や内定率が高まります。

転職エージェントを使わない場合は、自分で回答を考えて、精度を上げる必要があります

回答例文や伝え方のコツなどをチェックして、面接官に良い印象を与えられる回答を事前に準備しておきましょう。

関連記事：転職理由を面接で正しく伝える方法と回答例文

キャリアアドバイザーにキャリアの相談ができる

キャリアアドバイザーは、業界や職種における転職市場や動向、求められる人材ニーズなどを熟知しています。転職やキャリアに迷った際に、適切なアドバイスがもらえる点が大きなメリットと言えるでしょう。

女性の転職支援に特化したtype女性の転職エージェントでは、女性ならではの結婚・出産・育児・介護など女性ならではのライフイベントに伴うキャリア形成、悩みに対して、適切なアドバイスや求人の提案をすることができます。

自分では気づかなった強みや適性が分かる

type女性の転職エージェントに登録をすると、キャリアアドバイザーと一対一での面談が行われます。面談時にキャリア相談やこれまでの経験の整理、キャリアの棚卸しを行い、その情報をもとにさまざまなアドバイスを受けられます。

自分では気づいていなかった自分の能力や特性、キャリアの可能性を教えてもらえるので、客観的な視点での分析や適性を把握できることが大きなメリットと言えるでしょう。

自分の強みや適性を正確に理解することは、キャリアの方向性や転職の軸を明確に定められたり、面接時に説得力のある回答を用意できたり、などさまざまな利点があります。

非公開求人を紹介してもらえる

転職サイトやホームページなどWeb上に公開されていない非公開求人を紹介してもらえる点も大きなメリットと言えるでしょう。多くの企業は一般公開しない求人情報を転職エージェント経由で募集しています。一般公開すると、企業の経営戦略が競合企業に知られたり、応募者が殺到し、採用における工程が増えたりする欠点があるからです。

転職エージェントを活用することで、こうした非公開求人を紹介してもらえるので、選択肢が増え、より良い条件の求人に出会える可能性があります。