時短やリモート希望の女性エンジニアが知っておきたい転職の落とし穴

更新日:2023.1.19

転職を決断するイメージ

更新日:2023.1.19

出産などのライフイベントをきっかけに、女性エンジニアがワークライフバランスを優先した働き方に切り替えたいと考えることはよくあります。今の会社で柔軟な働き方ができない場合は、時短勤務やリモートワークを活用できる職場への転職を検討する人もいるでしょう。

ただし働き方や時間に制約のある女性が転職する場合、注意しなければいけない点もあります。思わぬ落とし穴にはまって「こんなはずではなかった」と後悔しないように、応募先の選び方や選考過程での心掛けなどについて、自身もワーキングマザーであるキャリアアドバイザーが解説します。

監修者:今田 千穂子
監修キャリアアドバイザー
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー
「type女性の転職エージェント」で、人材紹介の企業担当を2年経験後、キャリアアドバイザーへ。IT領域専任のアドバイザーとしての経験によって蓄積された転職マーケットの知見・ノウハウから、多くの転職希望者から頼られる存在に。現在では、転職希望者が目の前の転職だけでなく、長期視点で将来的なキャリアを築けるような提案や関係づくりに力を入れている。

「仕事をセーブしつつキャリアを継続する」という選択肢

「仕事をセーブしつつキャリアを継続する」という選択肢のイメージ

育休から職場復帰したものの、久しぶりの現場と慣れない子育ての両立は思った以上に大変で、もうパンク寸前……! そんな毎日を送っている女性エンジニアは多いかもしれません。保育園のお迎えがあるので定時には帰っているものの、「今の会社は人手不足で時短制度を使いにくい」「セキュリティの観点からリモートワークNGなので毎日出勤しなければいけない」といった事情から、柔軟な働き方が難しいケースも少なくないでしょう。

しかし本当にパンクしてしまい、退職や休職などでキャリアを中断することになれば、ブランクが長くなるほど復職へのハードルは高くなります。キャリアアップをあきらめるわけではないけれど、長く働き続けたいからこそ、今はいったん仕事をセーブして家庭や育児との両立を優先したい。そんな理由から、時短制度やフレックス勤務、リモートワークなどを活用して働き続けられる会社への転職を考え始める女性エンジニアは増えています。

時短勤務やリモートワーク可の求人が増加中

時短勤務やリモートワーク可の求人が増加中のイメージ

では実際のところ、柔軟な働き方が可能なエンジニアの求人はあるのでしょうか。結論から言えば、以前に比べるとかなり増えています。コロナ禍をきっかけに日本でもリモートワークや在宅勤務の導入が進んだことにより、エンジニアにも自由度の高い働き方を認める企業が多くなっているためです。

最近増えているのがリモートワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」です。会社によって「週2日は出社し、それ以外はリモートワークにする」といった規定を設けている場合もあれば、必要な時だけ出社すればいいという会社もあります。

また扱う技術やアサインされるプロジェクトの内容にもよりますが、フルリモートの勤務が可能な企業も増えています。なかでもWeb系のアプリーション開発やフロントエンドを担当するエンジニアは、フルリモート率が高い傾向にあります。

ワーママエンジニアが陥りやすい「4つの落とし穴」

ワーママエンジニアが陥りやすい「4つの落とし穴」イメージ

以上のような背景から、中途採用の転職者についても、希望すれば入社時から時短制度やフレックス勤務、リモートワークなどを利用して柔軟に働けるケースが増えています。

ただし働き方や時間に制約のあるワーキングマザーが転職する場合、気を付けなければいけない“落とし穴”がいくつかあります。転職を考えるなら、これらの注意点を理解した上で、応募する企業や転職活動のタイミングを見極めることが大事です。自分自身がどれぐらいの時間なら残業を許容できるのか、業界ではどれぐらいが平均的なのか確認してみると良いでしょう。

【落とし穴・その1】 未経験の仕事に応募してしまう

入社時から時短制度やリモート勤務を希望した場合、採用選考では「限られた時間内で成果を出せるか」が重視されます。そして自分が成果を出せる人材であることを伝えるには、これまでの経験や実績で示す必要があります。両立に苦労しているワーキングマザーは「とにかく環境を変えたい」という思いが先走ってしまい、いきなり異なる業種・業界の会社や未経験の技術を扱うエンジニア職の求人に応募してしまう人も多いのですが、企業からは「経験のない仕事でどれだけ成果を出せるのか分からない」と判断されてしまいます。

第二新卒や20代前半の若手ならポテンシャルで採用されることもありますが、一定のキャリアを積んだエンジニアの場合は、「これまでの経験を通じてどのようなスキルや技術を身に付けたか」「その強みを入社後も再現できるか」を見られます。時間に制約のあるワーキングマザーであれば、なおさらこの点を重視されるため、異業種・異業界や未経験領域への転職はハードルが高くなります。そのことを知らずに手当たり次第に求人に応募しても、なかなか選考を通過できず、転職活動が長引くことになるので注意が必要です。基本的にはこれまでに培った経験や強みを活かせる領域への転職を目指すのが望ましいでしょう。

【落とし穴・その2】 入社前に働き方のルールをきちんと確認しない

求人で「時短・リモートワーク可」とうたっていても、実際は細かく社内規定が定められていて、いざ入社したらこれらの制度を使えなかったという事例は少なくありません。例えば会社としてはリモートワークを認めていても、配属された事業部では扱う案件の性質上、社外で作業するのが難しかったり、「リモートワークは週3日まで」などの独自ルールを設定していたりすることもあります。

また現時点ではコロナ対策としてリモートワークを導入しているものの、収束後はオフィス勤務に戻る予定の企業もあります。働き方を変えたくて転職したのに、結局前職と同じ働き方を続けることになれば、転職活動に費やした時間と労力が無駄になってしまいます。この落とし穴に陥らないためには、入社前に必ず働き方に関するルールを確認することが重要です。とくに入社後に配属になる部署やチームについて、特殊な事情や制限がないかを人事担当者や上司になる人に詳しく聞きましょう。時間に制約のあるワーキングマザーであれば、なおさらこの点を重視されるため、異業種・異業界や未経験領域への転職はハードルが高くなります。また会社によっては、「時短制度はあるが、実際に利用している社員はほとんどいない」といったケースもあるので、面接時に利用率などを確かめることも大事です。

【落とし穴・その3】 働き方に制約があることを選考時に伝えない

ワーキングマザーが転職活動をする際に、「働き方に制約があると不利になるのでは」という意識が働いて、選考がかなり進んだ段階まで応募企業にそのことを伝えないケースがあります。しかし会社側にとって、「どのような働き方を希望するか」は選考する際の非常に重要な情報の一つです。先ほど解説したように、時短勤務などを希望する人については「限られた時間内で成果を出せるか」を重視するなど、前提条件が変われば面接官が評価するポイントも変わります。また求人にはリモートワーク可と記載されていても、プロジェクトによっては顧客の希望で客先に常駐することもあるなど、入社後のリアルな働き方は面接時に自分から確認しないとわかりません。よって時短制度やリモート勤務を希望するなら、書類提出時など採用選考のできるだけ早い段階で会社に伝えるのが望ましいでしょう。

制約があることを伝えないまま選考が進むと、たとえ内定がもらえたとしてもミスマッチが生じることになります。そうなれば転職者と会社の双方にとって残念な結果になってしまいます。

その際は、自分の希望やどのような働き方なら可能かを具体的に伝えることをお勧めします。「出勤時は16時までの退勤を希望。フレックス制度やリモートワークを利用できる場合はフルタイム勤務が可能」などと書類に記載しておけば、人事担当者が働き方に関する希望を把握できます。事前に本人の希望が分かっていれば、面接などを通じて会社側の事情や条件とすり合わせることができるので、ミスマッチも生じにくくなります。また会社によっては、「時短制度はあるが、実際に利用している社員はほとんどいない」といったケースもあるので、面接時に利用率などを確かめることも大事です。

【落とし穴・その4】 年収や雇用形態を安易に妥協してしまう

働き方をスローダウンすることを重視し過ぎて、「とりあえず契約社員でいい」「年収が下がってもいい」などと妥協するワーキングマザーの方も多いのですが、長期的なキャリアを考えるとお勧めできません。雇用形態や年収の水準を安易に変えてしまうと、再びキャリアアップを目指す時期が来ても、なかなか元に戻すのは難しいからです。とくに年収については、一度下げてしまうと、次の転職で大幅にアップするのは難易度が高くなります。

育児に手が掛かる時期は、長いキャリアの中でわずか数年です。子育ての真っ只中にいると、どうしても目の前の忙しさや両立の大変さだけに意識が集中しがちですが、子どもが成長して育児のステージが変わったり、自分自身が仕事と育児の両立に慣れて余裕が出てくれば、またキャリアアップへの意欲が高まるものです。その時にできるだけ有利な状況で再スタートを切るには、今の時期をなるべく雇用形態や年収、担当する業務内容などを維持しながら乗り切ることが大事です。

よってこのタイミングで転職するなら、「働くペースは少し緩めるが、これまでの経験を活かしてキャリアダウンすることなく働ける職場」を見つけられればベストです。そのためには長期的な視点で将来のキャリアビジョンを描き、現在はあくまで通過点であることを認識した上で、転職活動に臨むといいでしょう。

まとめ

長く働き続ける女性が増えた今、「子どもが小さいうちだけ仕事をセーブし、時期がきたらまたキャリアアップを目指す」というキャリア戦略は一般的なものとなりつつあります。だからこそ育児中に転職する場合は、将来のキャリアを見据えて転職活動を行うことが大切です。

「長期的なキャリアが描けない」「転職先をどうやって選べばいいかわからない」といった悩みがある場合は、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談するのも一つの方法です。

type転職エージェントでは、個別のキャリアカウンセリングを通して、一人一人に合った求人の紹介や面接対策などの転職サポートを行なっています。育児中の転職について不安や悩みがある人は、ぜひ一度お問い合わせくださいね。

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