女性がプログラマーに転職する理由や抱えやすい悩みとは?

更新日:2024.02.05

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更新日:2024.02.05

近年、女性プログラマーの数が着実に増えてきていることはご存知でしょうか?
柔軟な働き方ができたり、産休や育休から復職がしやすかったり、プログラマーは「手に職」を求める女性に人気の職業です。

この記事では、女性プログラマーが増えている理由や女性プログラマーならではの悩み、プログラマーとして働くときに注意すべき点などを幅広く紹介します。キャリアチェンジを考えている方に向けて、プログラマーに必要なスキルや資格、転職を成功させるためのコツもお伝えします。

監修者:中嶋 千博
監修キャリアアドバイザー
中嶋 千博
航空会社で客室乗務員を経験した後、人生の重要な転機に関われるキャリアアドバイザーに魅力を感じ、「type転職エージェント」へ。
以来IT領域専任のキャリアアドバイザーとして12年にわたり転職希望者をサポート。
卓越したIT領域のマーケット知識とインプットされた転職ノウハウを武器に、転職希望者と並走するパートナーとして新しいキャリアの可能性を提案し続けている。

エンジニアの女性比率が増加してきている

ITエンジニア男女比のグラフ

type女性の転職エージェントサービスに、登録したエンジニア経験者の男女比率を調査しました。2017年時点ではエンジニアの女性比率は26.6%でしたが、2022年時点では35.3%と8.7ポイント増加しています。

また、一般社団法人情報サービス産業協会「基本統計調査報告書」でも同じような傾向が見られました。「基本統計調査報告書」によると、2016年から2022年でエンジニアの男女比率も13.1%から23.2%に増えています。女性エンジニアの人数は23,897人から44,089人に増えており、男女比率だけでなく人数も増えています。

なぜ女性のエンジニアが増えているのでしょうか。その理由を詳しくみていきましょう。
関連記事:未経験でも女性エンジニアになれる?転職で失敗しないためのコツも紹介!

女性プログラマーが増えている理由

女性プログラマーが増えている理由

男女平等に評価される

プログラマーの能力はコードの質やプロジェクトの成果により評価されるので、性別は一切関係ありません。必要なのはプログラミングスキルと論理的思考力、コミュニケーション能力です。そのため、性別による適性の差が出にくいのがプログラマーの特徴です。

さらに、プログラマーの業界は実力主義なため、能力と成果により収入が上がる可能性があります。性別に関係なく、スキルを磨き、プロジェクトでの実績を増やし評価されることで、年収が上がる可能性も増えます。これがプログラマーの業界の魅力と言えるでしょう。

柔軟な働き方が可能

近年、IT分野において働く時間や場所の自由度アップに取り組む企業が増えています。リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方が取り入れやすいのが、プログラマーです。なぜならプログラマーは、パソコンとインターネット環境があれば仕事ができるからです。

子育てや介護などの「将来の制約」を見越して、在宅ワークできる仕事としてプログラマーを選択する女性が増えています。

また、スキルアップをしていったらフリーランスとしても仕事がしやすいため、より柔軟な働き方をするためにプログラマーを目指す人も多いです。

産休・育休後の復職がしやすい

プログラマーの魅力の一つに、産休や育休後も再就職がしやすいことが挙げられます。なぜなら出産を経て一時的にキャリアから離れたとしても、持っているスキルを活かして職場復帰ができるからです。

女性プログラマーが復職しやすい理由は、ITエンジニアが圧倒的に人手が足りず、スキルさえあれば場所を選ばずに戦力になれることが挙げられます。

ライフイベントでキャリアを中断することが多い女性にとって、プログラマーは魅力的なのです。

未経験でも学べる環境が増えた

未経験からでもスキルを習得できる環境が整ってきたことも、女性プログラマーが増えている理由の一つです。以前はITや理系の知識がないと、プログラマーとしてのキャリアをスタートさせるのは難しかったかもしれません。しかし現在では、オンライン講座やプログラミングスクールなど、初心者でも実践的なプログラミングを学べる環境が増えています

これらは、時間や場所に縛られず自分のペースで学べるのが特徴で、仕事や家事と並行してスキルを身に付けることができます。育休期間を利用してスキルを身に付け、復帰のタイミングや復帰後に未経験転職したいと考える女性にとって、チャレンジしやすい環境が整ったと言えるでしょう。

女性プログラマーが抱えやすい悩み

女性プログラマーが抱えやすい悩み

女性にとってプログラマーは魅力の多い職業ですが、多くの女性プログラマーが悩みやすいポイントも紹介します。プログラマーを目指す前に、自身にとってデメリットになるか確認してみてくださいね。

男性比率が高い

女性が増えてきてはいるものの、男性が多い職種です。周りに同性がいなくて相談ができなかったり、女性のロールモデルがいなくて将来続けていけるのか不安になったり、女性プログラマーならではの悩みを抱えています。特に物理的な組み立てもあるため体力のいるサーバーエンジニアやインフラエンジニア、データーセンターの保守など夜勤が発生する仕事などは、男性比率が高い傾向にあります。

働き方がハード

顧客のシステム開発を請け負う形態での業務であれば、急な仕様の変更やタイトなスケジュールを求められたり、早く仕上げることに価値が置かれたりすることがあります。また予期せぬバグ対応なども発生するため、急な残業などしないといけないことも。案件によって忙しさは変動するため、自分で仕事量をコントロールできないのが辛いと感じる人も多いようです。

そのため忙しいスケジュールや長時間労働などのハードな働き方が必要なシーンも時には発生するケースがあります。忙しい時期が続くと、家庭との両立や体力的な辛さなどが悩みになることもあります。

type女性の転職エージェントに相談にくるプログラマーの平均的な残業時間は40時間ほどで、多い人だと60時間を超える人もいます。グループ会社のシステム会社や自社製品の開発プログラマーは比較的残業が少ない傾向にありますが、それでも月20~30時間程度は残業があることが多いです。

プログラマーのキャリアパス

プログラマーのキャリアパス

システムエンジニアとして上流工程を目指していくか、技術を磨いてスペシャリストとしていくかの2パターンが多いです。

クライアントや社内からのシステム要望を聞き取り、仕様書を作成することを「上流工程」といいます。システムやソフトウェアの企画・設計・プロジェクトマネジメントの業務を行い、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーへ、キャリアアップをしていくキャリアパスです。

手を動かして開発するのが好きな人や、新しい技術の習得に強い関心がある人はスペシャリストとしてキャリアを積んでいきます。最近ではスペシャリストのポジションを用意している企業も増えています。

女性プログラマーの平均年収はいくら?

お金のイメージ

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によるとシステム作成者(エンジニア・プログラマー)の年収は550.2万円です。男女別の年収は、男性は571.9万円、女性は455.6万円です。

type女性の転職エージェントに掲載している求人の、システムエンジニア・プログラマーの平均年収金額は、約460万円(2023/7/11時点)です。

女性プログラマーになるために必要なスキル、知識、資格は?

プログラミングスキル

担当する領域における、プログラミング言語やフレームワーク、データベース、OSの知識の習得が必須です。

求められる言語で求人が多く、身に付けておくとよいのは、Java、Python、PHP、C#、Ruby、JavaScriptなどが挙げられます。特にJavaは多岐にわたる分野で開発言語として利用されており、その汎用性から引き続き高い需要があります。

コミュニケーション能力

プログラミングは、1人で黙々と業務をするとみなされがちですが、実際はチームでの連携が必須となることが多いです。プログラマーは他のプログラマー、エンジニアと役割を分担したり、プロジェクトマネージャーの指示に従うなど、他者と協力してゴールを目指します。そのため、報連相や調整といったコミュニケーション能力が求められます

資格

資格がないとプログラマーになれないわけではありません。ですが、未経験の場合は、IT関連資格を独学で取得しておくことは、その姿勢を評価されるためおすすめです。

例えば、未経験や経験の浅い人でも取り組みやすいものとしては、インフラ領域ならCCNA/CCNPやLPIC/LinuCアプリなどのベンダー資格です。開発であれば、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などがあるとアピールになります。

ただし、これらの資格は前述の通り「学ぶ姿勢」や「意欲」を企業にアピールする要素が強いため、業務に直接生かせるかというと別の話です。

なお、未経験者を採用する企業としては、「資格を持っていること」を評価しているのではなく、「資格を取れるほど頑張って勉強した姿勢」を評価しています。なので「本を読みました」程度だと正直アピールにはなりません。資格取得のほかには、自分でサーバーを立てたり、アプリを作ったりなど「手を動かす勉強」をしておくのもいいでしょう。

女性プログラマーとして働くときの注意点

女性プログラマーのイメージ

前項でプログラマーになるために必要なスキルや資格について説明いたしましたので、続いてプログラマーになった後、働き続ける時に注意が必要なことを紹介いたします。勉強してプログラマーになったけど、「やっぱり合わなかった」とならないために、参考にしてくださいね。

継続的な学習、スキルアップが求められる

プログラマーとして働き続けるためには、スキルをどうやって磨いていくかが重要です。テクノロジーは常に進化しているため、プログラマーは新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツールを学ぶことが求められます。自分のスキルを維持・向上させるためには、継続的な学習が必要です。最新のツールを使いこなしたり、流行っている言語をできるようにしたり、領域を広げてフルスタックエンジニアを目指すのが今後も価値のある人材になるコツです。

また、プログラマーとして働き続けていると、使えるプログラミング言語を増やしたり、いろいろな新しい技術環境に触れたり、プロジェクトマネージャーを目指したりといった、職務範囲を拡大するための挑戦を迫られるシーンも増えます。

プログラマーとしては、設計書に基づいてきちんとプログラムを書くことができるのが一番大事なスキルですが、長く活躍するには、プラスして自分で設計書を書ける、メンバーの教育ができる、お客さんと折衝できるなどのスキルを身に付けていくことが必要です。

柔軟な働き方が実現できるとは限らない

プログラマーの魅力に「柔軟な働き方ができる」と紹介しましたが、どの企業でも誰でも実現できるわけではありません。特に転職をする時に注意したいのが、「制度の有無」と「制度の利用状況」です。

「制度の有無」は、企業の採用HPや求人に記載があるので確認しましょう。ここで重要なのは、「制度の利用状況」です。制度があるかは多くの人が確認できていますが、実際どの程度まで使われているかまで確認ができず、入社後に後悔してしまうことも。

「制度の有無」と「制度の利用状況」の確認ができたら、「その制度で本当に理想の働き方が実現できるか」も確かめられるとベターです。例えば、在宅勤務で時短できる制度はあるけど、実際は残業が多く、家で長時間労働になっている。家事と仕事の両立のために、在宅勤務にしたのに長時間労働になっていたら、理想とのギャップが生まれます。なので、「プログラマーだから柔軟に働ける」と油断せずに、働き方に関して次のようなポイントを確認しておきましょう。

・実際の残業時間
・フレックスの有無。有の場合、実際どの程度活用されているか
・実際に、お子様がいらっしゃる方はどの程度いるのか、その方たちはどういった働き方をされているのか、具体的な事例
・職場の雰囲気や体制

それから大事なのは、あなたが入社後にどのような働き方を希望しているのか、きちんと企業に伝えることです。入社時から制限のある働き方がしたいのか、業務を覚えるまではフルタイムで働けるのか、など企業側と認識のずれがないようにしましょう。制度の利用状況の確認や働き方の希望を伝えるのは、自力では難しい場面も多いです。転職エージェントでは企業に制度の利用状況の確認や働き方の交渉など対応してくれるので、利用してみてはいかがでしょうか。

関連記事:転職のプロが解説!ワーママエンジニアのキャリアアップ方法|転職事例付

転職を成功させるためのコツ

転職を成功させるためのコツ

なぜプログラマーとして転職したいのか言語化する

未経験から転職するときに、面接で必ず「なぜプログラマーになりたいのか」と聞かれます。憧れや軽い気持ちだけではないことを伝えないといけません。面接官を納得させるためには、転職理由を明確に伝え、熱意が伝わるように話す必要があります。

面接で伝えられるように、なぜプログラマーとして転職したいのか言語化しておくといいでしょう。なぜ転職したいのか、なぜプログラマーに興味をもったのか、プログラマーとして入社したらどうなりたいか、など具体的に考えておくと、面接で質問の深堀りされた時も答えやすくなります

自分の強みと企業ニーズを理解する

前職でどれだけ実績を上げていたとしても、応募する企業が必要とするプログラミングスキルや経験と今まで培った知識や技術が一致していなければ、「この人は自社にはフィットしない」と判断されてしまうでしょう。そのため、転職成功の確率を高めるには、企業が必要とする技術や人物像を理解し、それに応じた自己PRをすることが重要です。

プログラミングが未経験でも、あなたのこれまでの経験やスキルの中に活かせるものがあるはずです。応募先の企業が求めるスキルセットや人物像を理解し、自身のキャリアパスを再評価し、自分の強みや特徴を明確にすることが必要です。これまでの業務を振り返り、自分の得意な部分や達成した成果などを洗い出し、それらの経験やスキルを新しい役職でどのように活用できるかを面接で説明すると、その論理性が説得力を持つでしょう。

まとめ

この記事では、女性プログラマーについて幅広く解説しました。女性プログラマーについて理解を深めることはできたでしょうか。プログラマーは女性にとって働きやすい職業ではありますが、まだまだ男性比率が高く女性が少ないことで悩むこともある職業です。これからプログラマーを目指す女性の方にとって、働くイメージや転職のコツなど参考になれば幸いです。

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