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なぜKSKでは未経験で転職した女性エンジニアが活躍できるのか?

Profile
プロフィール

蒋晨燕様

株式会社KSK
ネットワークサービス事業本部
システムエンジニアリング事業部
ゼネラルマネージャー

蒋 晨燕様

中国上海出身。高校卒業後、留学生として来日。大学・大学院で経済学を学ぶ。大学院修了後にKSK入社。システムエンジニアとして銀行のネットワークシステム構築などに携わる。チームリーダー、マネージャーを経て、2019年にシステムエンジニアリング事業部の統括責任者であるゼネラルマネージャーに就任し、現職

檀上悠一

株式会社キャリアデザインセンター
type転職エージェント事業部
キャリアアドバイザー局 部長
女性転職強化プロジェクト責任者

檀上悠一

新卒で外資系アパレル企業に入社。販売職として約4年経験後、『type転職エージェント』に入社。
これまでに女性マーケット領域を中心に多くの転職を支援し現在、同領域にて専門チームを立ち上げ責任者として活躍中。

IT人材不足を背景に高まる女性エンジニアの採用ニーズ

————本日はお時間を頂き、ありがとうございます。まずは女性の転職事情について伺います。最近はどのような動機で転職を考える女性が多いのでしょうか。

檀上悠一 檀上:コロナ禍以降、女性のキャリアに対する考え方には変化が見られます。5年ほど前まではワークライフバランスを重視する人が多かったのですが、最近は「手に職をつけたい」「稼ぐ力をつけたい」といった動機で転職を希望する女性が増えています。それに伴い、専門的なスキルや・経験が身につくエンジニア職や営業職などに未経験からチャレンジしたいというニーズも高まっています。

その背景にあるのは、コロナ禍で社会が不安定化したことや日本人の平均年収がなかなか上がらないこと、女性の晩婚化が進んだことなどです。こうした社会情勢により、女性の自立志向が強まったことが転職希望者の志向の変化にも現れたと言えます。

————企業側の採用動向はいかがですか。

檀上悠一 檀上:女性の採用ニーズは非常に高まっています。ひと昔前は、企業側にも「営業職は体力的にハードだから男性を採用した方がいいのでは」といった固定概念がありましたが、現在では女性が得意とするコミュニケーション力や顧客と関係を構築する力などが高く評価されて、むしろ女性を積極的に採用したいと希望する企業もあるほどです。

エンジニア職も同様です。かつては「女性はITや技術が苦手」といった思い込みが企業側にもありましたが、今は誰もが日常的にスマートフォンやSNSを使いこなす時代になり、男女問わずテクノロジーに対するリテラシーが上がっています。企業側もこの変化を十分理解しており、人材の採用・育成も時勢に合ったものへと見直して、より女性が活躍しやすい体制の整備が進んでいます。

マクロな視点で付け加えると、企業が人材獲得を強化する背景には、日本全体でIT人材が不足している現状があります。2018年時点でIT人材は約22万人の供給不足に陥っているとの統計があり、現在もこの需給ギャップは解消されていません。よって企業側も経験者のみを対象とした採用だけではますます人材獲得が難しくなるとの危機感が高まり、未経験者を採用して自社で育成する方針へ転換を図るケースが増加しています。ですから異業種からエンジニアを目指すのであれば、今がチャンスと言えるでしょう。

檀上悠一のインタビュー風景

未経験者を積極採用し、自社研修施設で手厚く育成

————KSKでも女性の採用を強化していると伺いましたが、どのような背景や理由があるのでしょうか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:弊社では以前から女性を積極的に採用しており、現在はエンジニアの25%弱が女性です。私が入社した14年前はまだ女性が少なかったのですが、いまや女性エンジニアがいない現場を探す方が難しいくらいです。

今お話があったように、IT業界で人手不足が進んでいることも採用に力を入れている理由の一つですが、それ以上に大きいのは、弊社の女性エンジニアがお客様から非常に高く評価されていることです。

KSKはインフラの運用保守を手がけているため、日々の業務では細かい作業を正確にこなすことが求められますが、女性は一つ一つの仕事が丁寧で、小さな異変やミスにも気付く細やかさがあると評判です。またエンジニアの仕事はプログラミングなどの技術的な作業だけでなく、お客様と打ち合わせて要件を決めたり、関係各所と調整を行なったりする場面も多いため、コミュニケーションが得意な女性が活躍しやすい環境もあります。

加えて最近はお客様先にも女性が増えているため、「今回のプロジェクトマネージャーは女性なので、エンジニアも女性のメンバーでお願いします」とリクエストされたこともあります。これまで「出張が多いプロジェクトなので男性をお願いします」といったご希望を頂くことはありましたが、初めて女性の指名を頂いた時は「時代は変わったのだな」と実感しました。

———— エンジニア未経験者の採用についてはいかがですか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:未経験者の採用には、かなり力を入れています。なかでも第二新卒を含めた20代前半までの若手を数多く受け入れています。

なぜなら私たちは、会社の組織風土に合った人材を一から育てたいからです。KSKでは5名から10名で構成される少人数のチーム制を導入しており、メンバー同士が切磋琢磨したり、助け合ったりしながら、一人一人が「人間力」を磨くことを大事にする組織風土があります。たとえエンジニア経験があって技術力が高くても、こうした社風に合わない人材を採用すれば、組織風土が乱れて会社の存在意義そのものが失われてしまいます。ですからKSKが大事にしている考え方や仕事のやり方を素直に吸収できる未経験者を積極的に採用しています。

檀上悠一 檀上:先ほども話しましたが、御社のように未経験者の採用を強化する企業は本当に増えましたね。未経験者でも会社がしっかり教育や育成を行えば、現場で活躍できるエンジニアが育つことがわかったという声を企業からお聞きすることも多くなりました。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:KSKでは、未経験者への教育研修も手厚く行なっています。本社がある東京・稲城市に自社研修施設「KSKカレッジ」があり、中途入社すると最初の1ヶ月間はこの施設で技術に関する基礎を学び、CCNA (Cisco Certified Network Associate)と呼ばれるネットワーク系の認定資格を取得してから現場に出ます。この資格を独学で取得するのはなかなか難しいのですが、弊社では未経験者でも短期間で内容を理解できるように独自のプログラムを用意しています。

檀上悠一 檀上:御社のように自社で大規模な研修施設を持ち、現場に出る前に基礎をしっかり教える企業はIT業界でも少数です。社員教育にこれほど大きな投資をしている会社は珍しいのではないでしょうか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:入社してまず資格を取得するのは、社員に勉強の習慣を身につけて欲しいという狙いもあります。ITの世界は技術革新のスピードが速いため、エンジニアは常に新しい知識やスキルを勉強し続けなければいけません。1ヶ月の研修期間中は、KSKカレッジで1日8時間の講習を受けますが、資格を取得するには、さらに自宅でも勉強する必要があります。この学習習慣を身につけた上で現場に出れば、未経験者でも早く仕事を覚えて成長することが可能です。

また現場に出てからも、様々な研修を受ける機会が用意されています。技術を学ぶものだけでなく、将来のキャリアデザインを考えたり、『7つの習慣』などの自己啓発書の内容を学んだり、リーダーになるための心構えを教わったりと、人間力を磨くためのプログラムも充実しているのが弊社の特徴です。

蒋晨燕様のインタビュー風景

檀上悠一 檀上:一般的なIT企業ではプログラミングなどの技術的な研修がほとんどで、人間性や人格を高めるための研修がこれだけ充実しているのは珍しいですね。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:それがKSKの強みの一つだと思います。弊社にとって「人を育てる」は重要なテーマであり、会長や社長みずから研修に参加することもよくあるほど、人材の育成や教育を重視しています。

チーム制が社員同士の交流やつながりを促進

————先ほどお話にあった「チーム制」は、KSKで働くエンジニアにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:エンジニアはお客様先に常駐することが多く、普段はそれぞれが離れた場所で働いています。だからこそ同じチームのメンバーは、仕事の悩みや不安を本音で話せる大事な仲間であり、会社への帰属意識やエンゲージメントを高める“ホーム”の役割を果たします。

会社としても、チームメンバーの交流を促進する施策を色々と行なっています。例えば「チームで読書会がしたい」と申請すれば、購入する書籍代は会社がすべて負担してくれます。またコロナ前までは、「チームでバーベキューがしたい」と言えば、会社が材料費の一部を負担してくれました。ですから会社の予算で本も読めるし、お肉も食べられるんです(笑)

檀上悠一 檀上:それは素晴らしい(笑)

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:現在はコロナの影響でリアルに集まるイベントはできませんが、読書会はZoomで開催していますし、オンラインでちょっとした打ち上げをしたいといった場合も会社が軽食代を支給してくれます。

他にも社内のコミュニケーションを促進する取り組みは多く、社員同士が気軽に「ありがとう」「この前の仕事は良かったよ」といったメッセージを送り合う「スマイルカード」や、メンバーから指摘を受けた人が指摘した人に感謝を伝える「品質カード」などがあります。例えば誰かが作った資料に対して、「この字が間違っていますよ」と本人に指摘するのは勇気が要りますよね。それでも思い切って指摘してくれたのだから、相手に感謝しましょうというのが弊社のカルチャーであり、お互いに何でも言い合える組織風土づくりを推奨しています。

檀上悠一 檀上:会社がいかに社員間のコミュニケーションを大事にしているかが伝わってきます。「エンジニアは一人で黙々と作業する仕事」というイメージを持つ人も多いのですが、チームで成果を出す方針を明確に打ち出しているのが御社の特徴ですね。

これは未経験からエンジニアへの転職を目指す女性にとっても心強い情報です。労働市場全体で見ると、女性が就業する職種の約35%を販売職などのサービス系が占めていますが、これらはコミュニケーション力を要する仕事です。技術職の経験がなくても、周囲の人との対話や関係作りは得意という女性なら、KSKの組織風土にマッチするのではないでしょうか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:そう思います。未経験で入社する方は現場に慣れるまで不安があるかもしれませんが、私たちマネージャーが定期的に1on1ミーティングを行って「どんなことで困っているか」「入社前と入社後でギャップを感じることはないか」といったことを聞きながらサポートしますので、ぜひチャレンジして頂きたいと思います。

育休後の復職率は100%。両立を応援する組織風土が浸透

————KSKでは女性が活躍できる環境整備にも取り組んでいると伺いました。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:弊社では「KSK行動計画」を策定し、女性管理職の育成と働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。「2026年3月までに女性管理職を20名以上にする」を目標としていますが、女性の積極採用を進めた結果、社員全体に占める女性の割合が増えたので、あと5年もすれば管理職の数もかなり増えると予想しています。また働きやすい環境整備の一環として、月の平均残業時間数を16時間未満にする目標を掲げていますが、現在すでに月17時間まで削減されているので、これも近いうちに達成できるはずです。

檀上悠一 檀上:「IT業界は残業が多い」というイメージが根強いのですが、御社で残業削減が進んだ理由はどこにあるのでしょうか。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:プロジェクト管理や作業配分の工夫もありますが、そもそも弊社は子育て中の女性エンジニアが多く、定時で帰るのが当たり前になっているのも要因です。KSKでは女性の育休後の復職率が100%で、なかには時短制度を利用する人もいます。皆さん効率的な働き方を工夫して高い成果を上げているので、働く時間に制限があってもハンデになりませんし、定時上がりや時短で働く女性エンジニアもお客様から高い評価を頂いています。

檀上悠一 檀上:蒋さんも仕事と育児を両立しながらキャリアアップしてきたそうですね。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:ええ、現在中1と小4の2人の子供がおりまして、私も育休からの復職を2度経験しています。保育園の送り迎えがあった頃は毎日定時で退社していました。

————世間では子育て中の女性が「周囲が働いているのに、自分だけ早く帰るのは後ろめたい」といった悩みを抱えるケースも多いのですが、蒋さんはいかがでしたか?

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:私の場合は周囲の理解と協力があったので、本当にありがたかったですね。職場に着いた途端に、保育園から「お子さんが熱を出したので迎えにきてください」と電話がかかってくることもあったので、周囲の協力なしにはこの時期を乗り切れなかったと思います。

これは弊社がチーム制であることも関係していると思います。普段からメンバーと密な連携やコミュニケーションがあり、チームへのエンゲージメントが醸成されていたからこそ、私も1日8時間の中で自分が貢献できることを精一杯やろうと思えたし、私ができないことは周囲がフォローしようと思ってくれたのでしょう。

檀上悠一 檀上:周囲の理解があるかどうかは重要ですね。今はどの企業も時短制度などの両立支援策を導入していますが、「制度はあっても使いにくい」という職場も多いのが実情です。「子供が熱を出したので早退します」と伝えた時に、上司が「あとはやっておくから大丈夫」と一言声をかけてくれるだけで女性は心強いはず。KSKにはそんな組織風土が根付いているのでしょう。

もともとエンジニア職は、女性が長期就業しやすい職種です。世の中がテクノロジーの時代になった今、ITやデジタルの専門スキルを身につければ、その能力を活かして長く活躍できます。また店頭に出なくてはいけない販売職などとは異なり、技術力があればリモートワークや在宅勤務による柔軟な働き方が可能です。よって仕事と家庭の両立がしやすく、長く安定的に働き続けることができます。

蒋晨燕様のプロフィール写真 蒋:KSKもリモートワークを推奨中で、コロナ以降は出社率を60%以下に減らしています。また常駐先のお客様からもリモートワークを求められることが増えているので、子育て中の女性も在宅で仕事をしやすい環境になっています。ちなみに採用についても、現在はほぼ全てをWeb面接で行なっています。

蒋晨燕様、檀上悠一の対談風景

type転職エージェントが女性の転職を支援

————女性の採用ニーズが高まっているとのことでしたが、自分が目指す職種や企業への転職に成功するには何が必要ですか。

檀上悠一 檀上:キャリアの棚卸しをして、「自分の強みは何か」「その強みを転職先でどのように活かせるのか」を整理することです。例えば販売職からエンジニア職へキャリアチェンジを目指す場合、技術に関する経験はなくても、「前職で培ったコミュニケーション力を活かし、周囲と連携してプロジェクトを円滑に進める役割を果たしたい」といったアピールはできます。そのためにも過去の仕事や経験を振り返り、自分の強みや得意分野を把握して、今後のキャリアにどうつなげるかをしっかり考える必要があります。

————type転職エージェントでは、女性の転職をどのように支援していますか。

檀上悠一 檀上:主に2つの取り組みに力を入れています。1つが面接対策セミナーで、Zoomによるオンラインで毎日開催しています。企業の面接では何を聞かれるのか、面接官は転職者のどこを見ているのかといったポイントをお伝えすると共に、キャリアアドバイザーが面接官役となって模擬面接も行います。現在は中途採用もWeb面接が主流になっていますので、「対面よりも大きめの声でゆっくり話す」といったオンラインならではの注意点もレクチャーします。

もう1つが、“ママさんエンジニア”の採用支援です。子育て中の女性エンジニアと企業をマッチングする取り組みで、働く時間に制限があったり、在宅勤務を希望しているなどの個別の事情を踏まえて、企業に紹介を行なっています。転職市場全体でエンジニア不足が進む中、フルタイム勤務かつ残業も可能な人だけをターゲットにしていては企業も優秀な人材を採用できませんから、「この女性は短時間でも高い成果を出せるスキルと経験があるので、御社のプロジェクトに最適な人材です」といった提案をしています。実際に内定を頂くケースも増えており、今後もこの取り組みを強化していきたい考えです。

面接に不安がある方や、「子供が小さいので残業なしで働ける職場に転職したい」といったご希望のある方は、ぜひtype転職エージェントにご相談ください。

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